パーソルテクノロジースタッフは、2020年4~6月に自社のエンジニア派遣を利用した企業担当者を対象に、リモートでの派遣活用に関するインターネット調査を行った。その結果、成功のカギはコミュニケーション改善とリモート開始前の関係性構築であることが浮き彫りとなった。調査期間は2020年6月18日~6月26日で、回答数は172件。
新型コロナウイルス感染拡大以降、企業側からのリモート派遣ニーズが高まっている。実際にリモートでのエンジニア派遣(以下、リモート派遣)を活用した企業担当者に対して調査したところ、64%が今後もリモート派遣の活用を検討しているものの、実現に向けてさまざまな課題に直面していることが分かった。調査結果の概要は以下のとおり。
①リモートワークでの派遣エンジニア活用について、メリットは感じているがさまざまな改善課題に直面しており、現状での「満足」は57%に留まった。感染リスク低減やワークライフバランス改善などのメリットを感じながらも、コミュニケーションや生産性などの課題に直面し、約4割は現状で満足できるレベルでの活用に至っていないと考えられる。
②コロナ収束後もリモート派遣を活用したい企業担当者は64%だが、5月に行った派遣エンジニアへの調査ではリモートワークの継続を希望する割合が82%だったことと比較すると、企業担当者の方が今後のリモート派遣活用について慎重であることが分かった。「セキュリティ面、端末、光熱費、通信費などは検討が必要」や、「業務に慣れるまでは対面でのコミュニケーションが必須」など、派遣エンジニアが就業開始後に間もなくリモート派遣を利用するのは難しいと感じている担当者が多い。
③新型コロナウイルス感染拡大収束後も、リモートワーク派遣を活用したいと考えている企業は64%。しかし、活用方針は企業ごとに大きく異なり、多様なはたらき方実現や優秀な人材の確保に向けて「週の大半は在宅勤務でも構わない(39%)」と考える企業担当者と、「週に2~3日は会社に出社すべき(44%)」と対面でのコミュニケーションを重視する企業担当者に分かれた。また、同じ派遣エンジニアでも遠隔地での就業については「難しいと思う(41%)」「分からない(20%)」となり、前向きな意見が少なかった。