アドビは、国内企業の人事担当者500名を対象に「新卒採用で企業が重視するスキル」に関しての調査を実施し、7月29日に結果を発表した。同調査は、新卒採用の現場において、学生の「創造的問題解決能力」がどの程度重視されているかを調査するもので、2018年に続き2回目の実施となる。新型コロナウイルス拡大による影響や、2年間での変化などを検証した。
今回の調査の結果について、アドビは以下のように伝えている。
「日本の新卒採用は新型コロナウイルスの影響で変化があると思うか」という質問に、担当者の81.2%が「大きく変わると思う」または「変わると思う」と回答。実際に全体の48.2%、就職人気企業では58.6%が今後採用を減らす予定という結果になった。
また、活用が広がっている「オンライン採用」は全体の59.6%。就職人気企業では73.7%が「すでに実施している」と回答した。全体の91.2%が今後も取り入れる予定であることから、新卒採用のニューノーマルとなることが想定される。
特に重要視するスキルとして最も多く挙げられたのは、2018年と同様「課題解決方法の発想力/着想力」。加えて、ITを使いこなせる能力である「デジタルリテラシー」の重要度が増している。特に就職人気企業では「クリエイティビティ/創造性」の重視度が高まっているという特徴が見られた。
会社で必要なデジタルリテラシーの詳細を聞いたところ、就職人気企業ではクリエイティブ系ツールのスキルを重視する度合いが高い。他の企業と比較して、アプリやWeb制作が14ポイント差、動画編集12.6ポイント差、写真加工が12.1ポイント差となった。今の学生に不足していると思うデジタルリテラシーについても、就職人気企業が重視しているスキルには同様の傾向があった。
近年では、企業の様々な部署でクリエイティブツールが使われるようになってきている。「デザインなどの専門部署以外でも、クリエイティブ系のITツールを使いこなす能力が必要だと思うか」という質問には、全体の70.6%が必要だと回答した。さらに、具体的にどのようなシーンで必要とされるかを聞いたところ、「動画の作成やプレゼン資料で必要になる」という声が最も多く、「リモート営業が増え、動画でわかりやすく伝える工夫が必要になった」「人事研修でオンライン動画をつくる必要がある」という声が見られた。