総合人材サービスのマンパワーグループは、2020年第4四半期(10~12月期)における企業の雇用計画を尋ねた「マンパワーグループ雇用予測調査」の結果を発表した。調査時期は2020年7月15日~7月28日。東京・大阪・名古屋の7業種[1]における企業の人事部門長を対象に、電話または電子メールによる調査を行い、1097社から回答を得ている。マンパワーグループが四半期ごとに世界各国で実施している事前調査だという。
同調査では「2020年10~12月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は今期(2020年7~9月)と比べてどのような変化がありますか?」という質問を行った。その結果、日本の雇用意欲は、過去9年間の調査で最も低い値を記録したという。
季節調整[2]後の純雇用予測[3]は9%で、前四半期比より4ポイント減少、前年同期比では18ポイント減少の結果となった。また、地域別の純雇用予測(季節調整後)は、3地域全てにおいてプラスとなった。しかしながら、前年同期比では全地域で2桁のマイナスとなり雇用意欲は大きく後退している。
業種別で見た場合、来四半期の雇用意欲は前四半期比で4業種、前年同月比では全7業種で悪化している。雇用意欲の減少幅が大きい業種は、「製造(前年同期比27ポイント減)」と「鉱工業・建設(前年同期比23ポイント減)」。「運輸・公益」は前年同期比20ポイント減、「サービス」は前年同期比18ポイント減、「卸・小売」は前年同期比15ポイント減、「金融・保険・不動産」も前年同期比で2桁減少の13ポイント減と、全業種で大きく雇用意欲が減少する結果となった。
注
[1]: 7業種=「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」。
[2]: 季節調整値=月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値で、調査開始から3年以上経っている国で適用している。日本では2006年第3四半期から適用しており、全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしている。
[3]: 純雇用予測=調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。