パーソルキャリアは、同社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」において、2020年8月の転職求人倍率をまとめた「doda 転職求人倍率レポート」を、9月17日に発表した。
2020年8月の転職求人倍率は、前月比0.04ポイント増の1.65倍で、求人数は前月比94.1%、前年同月比65.0%、転職希望者数は前月比91.9%、前年同月比109.8%だった。新型コロナウィルス感染拡大の影響で8月も求人数は引き続き低調。一方で、転職希望者数は前年同月を上回り、高い水準を維持している。
業種別では、すべての業種で求人数が減少。求人の減少率が最も低かったのは、「IT・通信」(前月比97.3%)、次いで「小売・外食」(前月比96.0%)となった。また、職種別でも、11職種すべてで求人数が減少。求人の減少率が最も低かったのは、「技術系(メディカル)」(前月比98.2%)、次いで「技術系(化学・食品)」(前月比97.4%)、「クリエイティブ系」(前月比97.4%)だった
今回の調査結果について、doda編集長の喜多恭子氏は次のように分析している。
「8月は求人数・転職希望者数ともに前月比で減少しましたが、転職希望者数の減少幅が求人数のそれを上回ったため、求人倍率は上昇しました。例年7月から8月にかけて転職活動をする人が減少する傾向にありますが、今年は新型コロナウイルスの影響により外出を控える人が多く、在宅時間が増加したため、例年ほどの減少ではありませんでした。
9月以降も、新型コロナウイルスの影響により、引き続き採用計画の見直しや自社内の雇用調整を進める企業が増えることが予想されます。一方で、中国の景気が徐々に回復していることを背景に、自動車業界や半導体業界などでは、採用活動を再開する企業も増えています。転職希望者数は年内の退職に向けて増加することが予想されるため、求人倍率は年末にかけて低下する見込みです」(喜多氏)