TSグループは、介護業界のデジタルトランスフォメーション(DX)の推進を目的に、アルトと業務提携に関する基本合意書を締結した。取り組み第1弾として、介護事業者共通の課題となっている現場職員の離職率や定着率の解決に向けた新ソリューションを来年1月より提供開始する。被介護者家族からも介護職員に対してポイントを贈ることができる機能などの実装に加えて、介護現場でよく使われる言葉をまとめた新たなスタンプを提供する。介護職員が人々からの「感謝」や「声がけ」をより感じられる環境を整備することにより、定着率向上を目指す。
新型コロナ感染拡大により各業界においてデジタル化が加速する中、政府の規制改革推進会議では、医療・介護分野でのデジタル技術の活用に取り組む方針が示されている。介護業界においてもDXを推進し、介護人材不足の解消やサービスの質向上などを実現することが急務となっている。
また、同社が7月に実施した「介護職の離職に関する実態調査」では、離職経験者の約7割が「介護の仕事が好き」と、仕事内容に満足している一方で、退職理由は「人間関係」が最多となっている。介護職員の離職防止のためには、各事業所における勤務環境の整備が重要だといえる。
今回の提携により、TSグループが持つ介護事業者や介護職員が抱える課題など介護業界に対する知見と、アルトが持つチームの生産性向上やコミュニケーション活性など働き方改革を実現する知見・ソリューションを組み合わせ、介護事業者のDX推進のための新たなサービスを開発。具体的には、「thanks!」を介護業界向けにカスタマイズし、介護現場の人間関係改善のため、本部・本社、施設現場、被介護者の3者をつなぐ仕組みを提供する。
また、従来のthanks!機能のカスタマイズに留まらず、介護現場の管理職マネジメント力向上やチームワーク可視化、さらに職員の評価制度改善など、エンゲージメント強化を推進する新たな機能開発も予定している。
これらにより離職率・定着率に悩む介護事業者向けに、テクノロジーを活用して職場環境の改善を支援する。今後は、介護事業者限定のセミナーや個別相談会などを随時開催していくとしている。