マイナビは、2020年1月~7月に中途採用業務を行った採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者を対象に、調査を実施し、「働き方、副業・兼業に関するレポート(2020年)」を発表した。調査期間は、スクリーニング調査が2020年7月31日~8月7日。本調査が2020年8月7日~8月11日。1910人から回答を得ている。
現在、副業・兼業を認めている企業は全体で49.6%、将来的に認める・拡充する予定の企業は計57.0%[1]となった。業種別では、医療・福祉・介護が他業種に比べ、現在認められている割合が最も高い(57.2%)。副業を認めている企業は副業に対して「社員のスキルアップにつながる」「社員のモチベーションを維持できる」などポジティブな印象を持つ企業が多い。一方、副業を認めていない会社は「社員の労働時間が過剰になり本業に影響が出る可能性がある」という印象が強かった(副業認可企業:35.1%、副業不認可企業:53.3%)。
副業や兼業を導入している企業の導入理由で最も多いのは「社員の収入を補填するため(43.4%)」。次に「社員のモチベーションを上げるため(37.5%)」「社員にスキルアップしてもらうため(33.8%)」が続いた。
副業を認めている企業のほうが、認めていない企業よりも中途採用の内定者に対して「質・量ともに満足」の割合が4.7ポイント高い。同社の調査にて、求職者の6割以上が「副業可能」の求人に対して応募意欲が上がるという結果も出ており、副業可能な企業には優秀な人材が集まりやすく、結果的に企業の採用満足度も高まると考えられる。
緊急事態宣言を境に新たに導入した企業の取り組みとして、「在宅勤務・リモートワーク」(13.7ポイント増)[2]、「時短・時差勤務」(3.4ポイント増)が増加。「在宅勤務・リモートワーク」導入割合を業種別にみると、マスコミ・広告・デザイン(71.8%)[3]が特に高く、IT・通信・インターネット(56.0%)、金融・保険・コンサルティング(54.5%)と続いた。
注
[1]: 現在認められており、将来的にも拡充する予定(19.4%)+現在一部認められているが、将来的には拡充する予定(22.4%)+現在は認められていないが、将来的には認められる予定(15.2%)
[2]: 「宣言前から導入している施策」と「宣言後に導入している施策」の差分。
[3]: 回答数30以下のため参考値。