UX(User Experience)
UXは「ユーザー体験」と訳されます。製品やサービスを利用した際に得られる経験を指します。機能性だけでなく、ユーザーが「楽しい」「価値がある」「また使いたい」(=リピーターになる)と感じるかを重視した表現です。
例えば、アプリケーションの設計の1つに「UI(ユーザーインターフェイス)デザイン」があります。これは使い勝手(使いやすい画面設計)に特化したものですが、「UXデザイン」となると、認知的体験や感性的体験までも含めた、より包括的な設計を指します。
UXデザインでは、ユーザーのことをいかに「思いやる[2]」かがポイントとなります。
注
[2]: サービスやUXの話題では「サービス」「おもてなし」「ホスピタリティ」といった言葉が使われます。それぞれ少しずつ意味合いが異なりますが、その根底にあるものは共通しています。
DevOps・Agile・LeanIT
DevOps
DevOps(デブオプス)は、Dev(Development=開発)とOps(Operations=運用)が互いを尊敬し、安定的で高付加価値なサービスを提供するために自動化も含めて協働(コラボレーション)していく、という考え方です。ここ数年、注目を集めてきました。DevOpsを推し進める企業では、次のような取り組みが行われています。
- テストやデプロイ(Deploy)を自動化し、アプリケーションやサービスを短期間で本番環境へ出す
- 運用設計という観点を盛り込むため、運用担当者がサービスの設計段階から参加する
- 運用側が運用受入テストに合格を出さない限り、絶対にリリース、サービスインしない
Agile
Agile(アジャイル)は、短い開発期間で開発を繰り返しながら、顧客からの要件を都度確認してズレがないように進めて行く開発手法のことを指します。
LeanIT
LeanIT(リーンIT)は、人にフォーカスした考え方と手法がフレームワーク化されたものです。TPS(トヨタ生産方式)、Six Sigma(シックスシグマ)、リーンサービスという3つの考え方や手法が融合してできました。顧客指向で顧客に価値をよどみなく提供し続けるには、どのように人は振る舞うべきで、どのような手法が役に立つか、といったことがまとめられており、DevOpsやAgileの基本として取り入れられています。
DevOps、Agile、LeanITのいずれも、顧客や隣の組織(開発から見た運用、運用から見た開発)など、「相手を思いやる」ことを重視しています。
価値はモノからコトへ。そのための相手を思いやる力
以前のIT業界では、ソフトウェアやハードウェアといった「商品」に価値があり、技術者にはそれを開発したり使いこなしたりする力(技術力)が求められていました。しかし、今やITはビジネスと一体化しています。
例えば、ある回転寿司店では順番待ちの整理券が自動発行され、着席が近くなると携帯電話にメール通知されます。また、病院のカルテを電子化し、地域の病院で共有する取り組みも始まっています。これにより、既往歴や過去の治療、処方薬がどの病院でも分かるようになり、診断ミスや待ち時間が低減していくでしょう。
モノよりコトに価値がある――このような時代に、利用者に寄り添った思考がIT技術者にも求められるのは、むしろ当たり前といえるのではないでしょうか。