あしたのチームは、副業人材を自社で受け入れている東京都在住の経営者110名を対象に、「副業人材の受け入れ」に関する意識調査を実施し、結果を発表した。調査期間は2020年12月10日~12月14日。
副業を積極的に行っている人を自社の副業人材として受け入れたいと思うかを聞いたところ、「非常に受け入れたい」が18.3%、「受け入れたい」が50.0%という回答となり、約7割の経営者が「副業に積極的な人材の受け入れ」に前向きだということが分かった。
上記で「非常に受け入れたい」「受け入れたい」と回答した人を対象に、副業人材を受け入れたいと考える理由について質問したところ、「副業をしている人は多方面のスキルを持っていて優秀だと考えるから」が50.7%、「副業をしている人は生産性が高いと考えるから」が38.7%、「副業をしている人は人脈が広く自社の事業機会拡大につながるから」が37.3%という回答となった。
また、「非常に受け入れたい」「受け入れたい」と回答した人を対象に、上記の内容以外に副業人材を受け入れたいと考える理由があるかを質問したところ、「多様な働き方がこれからは必須だと思うから」や「技能スキルがあれば短い時間でも効率的な仕事がこなせる」など62の回答が得られた。
{.tol} ##### <自由回答・一部抜粋>
- 56歳:異業種との人脈に期待できる。
- 67歳:技能スキルがあれば短い時間でも効率的な仕事がこなせる。
- 74歳:仕事の幅を拡げるきっかけになれば。
- 62歳:ある特殊な技術知識を持つ人材は貴重でなかなか探せないが、副業人材にはそのような人材がいるのではと思う。
- 58歳:多様な働き方がこれからは必須だと思うから。
- 56歳:雇用費用の軽減。
副業人材を受け入れることが、会社の生産性向上や業績アップにつながっていると感じるかを聞いたところ、「非常に感じる」が11.8%、「感じる」が51.8%という回答となり、約6割が副業受け入れによる生産性・業績アップを実感していることが分かった。
上記で「非常に感じる」「感じる」と回答した人を対象に、生産性向上や業績アップにつながった要因だと考えるものについて質問したところ、「専門性の高い分野を副業で補うことで事業の幅が広がった」が44.3%、「人材を適材適所に配置することができ、社員ひとりひとりの生産性が上がった」が32.9%、「副業を受け入れ始めたことによって優秀人材が集まりやすくなった」が32.9%という回答となった。
また、「非常に感じる」「感じる」と回答した人を対象に、上記で回答した内容以外に生産性向上や業績アップにつながった要因だと考えるものがあるか質問したところ、「業務内容などで、自身が今まで気がつかなかったことを教えられた。」や「社員にない知識を持つ人材の投入により、今までできなかったことも可能になる。」など56の回答を得られた。
さらに、副業人材を受け入れる上で課題だと感じることはあるかを聞いたところ、「自社の機密情報漏洩のリスク」が40.0%、「他の会社での業務も含めて業務量を把握して仕事を割り当てるのが難しい」が34.5%、「副業人材のための人事評価制度を確立する必要がある」が23.6%という回答となった。
上記で「特にない」と回答した人以外を対象に、上記で回答した内容以外に副業人材を受け入れる上での課題があるかを聞いたところ、「副業により本業がおろそかにならないように成果主義を確立すること」や「トラブルや失敗した時の対応、及び責任の取り方」など65の回答を得られた。
<自由回答・一部抜粋>
- 47歳:業務内容などで、自身が今まで気がつかなかったことを教えられた。
- 54歳:新規事業に繋がった部分もあり、新規営業や継続サポートにひとりひとりスキルが上がった。
- 50歳:適材適所で、人と能力が必要な部分に投資できる。
- 58歳:より実力成果報酬制度が高まった。
- 55歳:既に副業で個人的な事業経験があり、人材や社会的経験も豊富で会社へのさまざまなプラスがあるから。
- 62歳:社員にない知識を持つ人材の投入により、今までできなかったことも可能になる。
テレワークの浸透により働き方に柔軟性が生まれ、働き手の副業へのハードルが下がっているといえる。それに加え、今回の調査で明らかになった副業人材の有効性を理解する企業も増えていき、副業の波がますます加速すると予想される。副業などの柔軟な働き方の提示やそれと紐づいた評価制度は、生産性の高い優秀な人材の獲得につながる。自社の事業成長のためにも、副業という新たな働き方に柔軟に対応することが求められるだろうと、同社は述べている。