プッシュオンは、「特定技能ナビ」に登録されている人材データベースを公開し、就労を希望している人材の検索およびスカウトをすることができる新サービスを提供開始した。
特定技能とは、2019年4月より始まった新たな外国人材受け入れ制度。飲食業や宿泊業、介護など人手不足が続く14業種での働き手として期待されたが、政府が当初予定していた人数を大きく下回っている。伸び悩んでいる要因としては、制度の複雑さや資格条件の厳しさなどに加えて、外国人材の大きな受け皿として期待されていた飲食業や宿泊業などが新型コロナウィルスの感染拡大により採用を見合わせてしまったことなど、経済活動が全般に停滞していることが挙げられる。しかし、その一方で技能実習生は依然として増加傾向にある。
現状、特定技能人材のマッチングの多くは、FacebookなどのSNSを通じて外国人ブローカーの間で閉鎖的に行われており、中には「面接を設定するだけで5万円、内定をもらったらさらに10万円」というような、職業安定法で原則として禁止されている求職者からの費用徴収を行っているケースも見受けられるという。また、採用が決まって入社したが、当初聞いていた条件と異なっていたという事例もあるようだ。
同社では、これまでの求人情報の開示に加えて、求職者のデータベースを公開し希望職種、採用可能職種、各種資格情報、在留資格などで検索、興味を持った人材をスカウトできるサービスを開始する。これにより、求職者は求人情報を検索して応募する、求人企業は自社に適した人材を検索してスカウトするといった、日本人向けの就職サイトでは当たり前のサービスを外国人向けに実現したいとしている。
技能実習生のマッチングがコロナ禍でも盛んに行われているのは、不透明で閉鎖的とはいえ求職・求人のプロセスが確立されているからであると考えられると同社。これに対して特定技能の場合、特に国内においては、求人者にも求職者にも情報の発信、受信手段がほとんどないことがマッチング停滞の大きな要因の一つとなっているとする。これを踏まえ、特定技能ナビは、求人企業・求職者の双方が情報を発信・受信できるオンラインプラットホームとなることを目指し、日本で働きたい外国人と人手不足に苦しむ企業を支援することを目指すと、同社は述べている。