「Daijob.com」を展開するヒューマングローバルタレントは、2021年4月から施行される大企業を対象とする中途採用比率の公表の義務化[1]が、中途採用市場でキャリアアップを図るグローバル人材にどのような影響を与えるのか、Daijob.com登録者を日本人と外国人で比較して調査を行った。調査期間は、2021年2月19日~2月24日。日本人231名、外国人263名から回答を得ている。
大企業で中途採用比率の公表が義務化されることは、日本人・外国人ともにほぼ知られていなかった。
転職活動時に、中途採用比率を「意識していた」のは、外国人が日本人の約2倍。日本では、新卒一括採用制度が浸透しているため、外国人が日本で働くに当たり、「転職希望の企業が中途採用を行っているのか?」「入社後の中途採用者の対応はどうなるのか?」などと、意識しているのではないかと推察される。
中途採用比率は「社風を知るきっかけ」として意識している人が、日本人・外国人ともに約70%。日本人は日本で浸透しているメンバーシップ型雇用の働き方に順応しようとする傾向があり、外国人は海外で主流のジョブ型雇用に習った考え方で、仕事に取り組む人が多いようだ。
転職時に、基本的な求人情報以外で知りたいことのトップは、日本人が「離職率」、外国人が「キャリアパス」という結果に。日本は諸外国に比べて、転職回数が4回以上あるとネガティブに捉えられがちなため、どれだけ会社に在籍できるのかを気にする傾向があるようだ。一方、米国を例に出すと、「キャリアは自分で築くもの」という意識が強い[2]。このような、日本と海外の転職に対する意識の違いが、この質問結果の違いに表れている。
その他、外国人は「研修制度」や「在職社員の語学力」についてのニーズが高い。
注
[1]: 厚生労働省より、雇用制度改革を目的に改正された「労働施策総合推進法」が施行され、「中途で採用した人数÷正規雇用労働者として採用した人数」の公表が義務化される。
[2]: Daijob HRClub「【海外の就活・転職事情】アメリカ人の就活・転職観を見てみる」を参照