データサイエンティスト協会(以下、DSS)、日本ディープラーニング協会(以下、JDLA)、情報処理推進機構(以下、IPA)は4月20日、3団体共同にて「デジタルリテラシー協議会」を設立したことを発表した。
デジタル時代の人材育成が国全体の重要な課題となっているが、デジタルトランスフォーメーションの推進には、これまでのデジタルを作る人材だけでなく、デジタルを使う人材も含めた両輪の育成が必要。そのため、全てのビジネスパーソンがデジタル時代のコアリテラシーを身に付けていくことが求められる。
そこで、ITの利活用を推進するIPA、データサイエンティストのスキル定義や人材育成を支援するDSS、ディープラーニング技術の産業活用を推進するJDLAが連携し、IT・データサイエンス・AIの3方面からデジタルリテラシーの向上を目指して当協議会を設立したという。
同協議会では、IT・データサイエンス・AIを使うための基礎的なスキル・知識・マインドをデジタルリテラシー領域「Di-Lite」と定義。産業界において日本がグローバルで戦うための競争力の源泉となる人材の育成を目指し、データ×AI活用に関する教育環境を整えるとともに、デジタルリテラシーの見える化と、すべてのビジネスパーソンが共通言語としてデジタルリテラシーを身に付けた状態を達成すべく、官民連携の会議体を運営し協議・情報発信を行っていく。
また、協議結果を各団体が実施する検定や試験(ITパスポート試験、データサイエンティスト検定リテラシーレベル、G検定)のシラバスにも反映するとともに、Di-Liteの設定や浸透活用、およびDi-Liteをはじめとするデジタルリテラシースキル習得を助けるためのツール提供も行う。さらに、デジタルリテラシーの浸透に向けたツールとして、デジタルリテラシースキルフレームワークも同時に公開する。
同協議会の活動内容は以下のとおり。
1. デジタルリテラシー協議会の開催(年に1~2回の開催を予定)
※第1回は2021年度夏を予定
2. Di-Liteに関する協議(見直しと再定義)
- (1) 産業界やユーザーの声を反映したDi-Liteの更新
- (2) デジタル技術の進化に合わせたデジタルリテラシー領域の網羅性確認
- (3) 各参加団体の実施する検定や資格制度の連携
3. デジタルリテラシーの浸透に向けたツール類の提供
- (1) デジタルリテラシースキルフレームワークの提供
- (2) デジタルスキルラーニングパスの提供
4. 企業に向けた普及・啓発活動の共同推進
- (1) 展示会、セミナーなどにおける普及啓発の実施、充実化
- (2)記事の掲載など、ビジネスパーソン向け情報発信の充実化
なお、デジタルリテラシースキルフレームワークとは、デジタル変革の推進による、より良い社会(Society5.0)の創出に向けて、同協議会がDi-Liteを示すために、デジタルに関連して習得すべきスキルや知識・マインドを構造的に全体像として表したもの。これにより、産業界におけるあらゆるビジネスパーソンへのデジタルリテラシー習得を啓発・推進する。