マンパワーグループは、2021年第3四半期(7-9月期)における企業の雇用計画を尋ねた「マンパワーグループ雇用予測調査」の結果を発表した。調査時期は2021年4月15日~4月22日で、調査対象は東京・大阪・名古屋の7業種[1]における企業の人事部門長。
調査結果は「2021年7-9月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は今期(2021年4-6月)と比べてどのような変化がありますか?」という質問に基づいている。なお、同調査はマンパワーグループが四半期ごとに行っている世界で最も広範囲(実施対象:43カ国・地域)にわたる事前調査だという。
今回行った調査では、東京・大阪・名古屋の企業1071社から回答を得た。その結果、季節調整後の純雇用予測[2]はプラス10%で、前四半期比より5ポイント増加、前年同期比では1ポイント増加の結果となった。マンパワーグループ雇用予測調査は、地域別(東京、大阪、名古屋)調査を行うとともに、業種別(7業種)での調査も行っている。地域別の純雇用予測(季節調整後)は、3地域すべてにおいて前四半期比で雇用意欲が改善している。
業種別では、7業種全てでプラスとなっている。最も好調な労働市場が期待されるのが「金融・保険・不動産」で、純雇用予測はプラス16%。「卸・小売」の純雇用予測はプラス10%で、前期比・前年同期比ともに雇用意欲が改善された。「製造」の純雇用予測はプラス9%で前期に比べると大きく改善している。「鉱工業・建設」の純雇用予測はプラス12%、「サービス」の純雇用予測はプラス14%、「公共・教育」の純雇用予測はプラス10%で、前期比で改善傾向が見られた。「運輸・公益」の純雇用予測はプラス8%で、前期比からは改善傾向だが、前年同期と比べると大きくマイナスとなっている。
注
[1]: 「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」
[2]: 順雇用予測は、調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。調査開始から3年以上経っている国では、月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値(季節調整値)を適用。日本では2006年第3四半期から適用しており、全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしている。