SELFは、離職率・休職率の低減を目的とした従業員向けメンタルトレーニングおよびケアサービス「SELF MIND for Business」の提供を開始した。利用料金は、1か月あたり500円/ユーザー。初期費用はない。
テレワークには、通勤の手間が省けるなどの利便性があるが、コミュニケーション面での難しさ、ストレスや不安の増大などのデメリットもあり、マネジメントの難しさが課題になっている。休職者1人当たりのコストは1500万円[1]ともいわれ、1人でもメンタル不調者が出ると周りの従業員のモチベーションが低下し、全体の生産性も低下するといわれている。
年に1回のストレスチェックだけではなく、定期的な体調のチェックをしていくことで日々の変化に気づけ、早い段階でのケアが可能になる。また、メンタル不調の兆候を感じるのは従業員自身であり、本人がセルフケアを自発的に行うことで、休職・離職リスクを未然に防ぐことができる。
そこで同社は、メンタルヘルスの専門家やノウハウがなくでも、休職・離職者の早期発見とセルフケア教育を自動でできるよう、対話型AIを開発したという。
同サービスは、従業員が利用するスマートフォンアプリと、人事・管理者が利用する管理画面によって構成されている。
アプリ上では、従業員と直接話をするAIロボットが表示され、このロボットとの対話を通じて、定期的な体調のチェック、またセルフケア教育を実施。ストレスに気づき、対処していくためにメタ認知(=自分を客観視しコントロールする能力)ができる人材を育成する。メタ認知能力が高くなると、自分自身を客観視できるため、明確な目標に向かって行動ができたり、主観と客観をうまく使い分け、相手の意図に合わせた言動をしたり、自分の短所や長所を的確に理解し自分に足りない能力を見極めたりできるようになる。
管理画面では、従業員のストレス度を定期的に測定し、部署ごとにそれを把握できる。年に1度ではなく、いまの状態を把握することで、休職/退職予備軍を早期発見することにつなげる。また、従業員の同意があれば、ストレスチェックの結果を確認することも可能。ストレス度が高いユーザーには、産業医面談をアプリ上で案内するなど、必要な措置を促すなども行う。
注
[1]: 年収500万円の場合で、休業手当だけでなく代替者の採用・教育コストを含む。