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チームコーチングの6か月実践事例――成果を上げるための進め方・ポイント

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2021/09/06 08:00

 Sansan社内コーチの三橋です。本連載ではマネジメントに課題を感じているマネージャーや人事の方に向け、私の経験を踏まえて社内コーチの可能性や実務をお伝えしていきます。前回は、パーソナルコーチングとチーム向けのシステムコーチングという2種類のコーチングスタイルについてお伝えしました。今回はチームコーチングについて、チームコーチングの機運の高まりに触れながら私が実施した6か月のチームコーチングの事例を紹介します。

チームコーチングの機運の高まり

 私が所属するSansan株式会社では、個人向けのパーソナルコーチングに加え、チーム向けのシステムコーチング[1]を実施しています。社内では「コーチャチーム」という名称で、社内制度として社員の誰もが受けられるようになっています。体制変更がある期の変わり目や新入社員が多く入ってくる年度始めには、チームを再形成する必要があるため、多くのチームのマネージャーからシステムコーチングの依頼を受けています。

 私は現在、主軸をパーソナルコーチングからシステムコーチングへ移しています。理由を簡単にお伝えすると[2]、個人が企業内でパフォーマンスを上げるときには、上司や同僚などチームメンバーとの関係性が強く影響するため、パーソナルコーチングだけではなく、システムコーチングでチームのメンバー間の関係性を扱う必要があると考えたからです。

 また、システムコーチングの一部である「チームコーチング」という概念は、国際的にも広がっています。それは国際コーチング連盟(International Coach Federation)が「チームコーチングコンピテンシー」を新たに公開したことからも明らかです。その資料(PDF)には、組織開発におけるいくつかの関わりが分類され、チームコーチングとチームビルディングやチームコンサルティングなどの違いが定義付けされています。特に印象的なところは、チームコーチングは長い期間で設計し、オーナーシップはチームにあるという部分です。チームが主体性を持って自走していくために長期間関わっていくところに、社内コーチの存在意義があると考えています。

 では次ページから、2020年後半に私たちが営業チームに対して実施した半年間のシステムコーチングを、事例として紹介します。

システムコーチングを行う上でのチャレンジ

 今回、営業チームにシステムコーチングを実施するのに際しては、2つのチャレンジがありました。

 1つ目のチャレンジは、1つのチームに対して半年間、毎月3時間のシステムコーチングの時間を確保してもらうことです。3時間あれば企業訪問1件、オンライン商談なら2〜3件の商談が可能ですから、「それに見合う費用対効果があるのか?」という点で否定的な意見が出てもおかしくありません。ただこのときは、対象チームの営業マネージャーが組織開発領域に知見があり、チームの成果を最大化するためにシステムコーチングの時間を取ることには意義があると感じてくれたため、スムーズに実施できました。

 2つ目のチャレンジは、システムコーチングの成果を実務に活かせるようデザインすることです。こちらも研修などでよくある話ですが、受講しているときや終わった直後は盛り上がり、研修の達成感を得られても、実務へ活かされず効果が持続しないということがあります。

 そこで今回は、システムコーチングを実務へ活かすための工夫として、KATA(Key Action for Team Achievement)という概念をつくりました。チームの目標達成に向けて軸となる行動指針(KATA)を設定すること、そしてそれを参加者が体現できるようになることをゴールに設定したのです。

[1]: システムコーチングは、CRR Global Japan合同会社の登録商標です。

[2]: 詳しい理由は、前回「2種類のコーチングスタイル――個人コーチングとシステムコーチング」をご覧ください。

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著者プロフィール

  • 三橋 新(ミツハシ アラタ)

    Sansan株式会社 人事部 社内コーチ。2009年に29番目の社員としてSansanへ参加し、営業、経営管理(人事/総務/法務)、情報システムなど企業のアーリーステージにおける役割を担ってきた。200人を超える社員へのコーチング実践を通して、社内コーチという役割をゼロから立ち上げ制度化し今に至る。
    ・米国CTI認定 Certified Professional Co-Active Coach(CPCC) 取得
    ・米国CRR認定 Organization & Relationship Systems Certified Coach(ORSCC) 取得

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