DX人材の資質・能力評価と育成サービス「DxGROW」を提供するInstitution for a Global Society(IGS)は、従業員数1000名以上の大企業人材298名を対象に「DX業務に関する意識調査」を実施し、結果を発表した。調査時期は2021年8月6日~9日。
勤め先でDXやデジタルビジネスの推進活動に関わる際に感じることを聞いたところ(複数選択可)、ネガティブな感情や無関心を選ぶ人[1]が44%となった。
勤め先でDXやデジタルビジネスの推進活動に関わりたいか聞いたところ、「できれば関わりたくない」「絶対に関わりたくない」と答えた社員が30%となった。また、DXの戦略立案や実行部隊へのつなぎ目となる40代の38%が「できれば関わりたくない」「絶対に関わりたくない」と回答し、年代別の最多となった。
「DX推進活動に関わりたくない」理由を因子分析した結果、「境界線の維持(わからないことは、手を出さない)」の影響が最も大きく(影響度65%)、「具体的に何をしたらよいのかわからない」「データはよくわからない」といった、仕事の境界線を守る傾向が強かった。
今回の調査から、大企業組織にはDX推進活動へネガティブ・無関心といった感情や、仕事の境界線をの維持する傾向などがあり、DX推進を阻害する可能性が示唆される。「DX氷山モデル[2]」でとらえると、「境界線の維持」因子と「評価が心配」因子は意思決定パターンに、「DX矮小化」因子はデジタル活用姿勢に、といった「DXバイアス」に当てはまるといえる。
DXバイアスの傾向は組織ごとに違う可能性があり、多くのDXバイアスは無意識のため、客観的に計測して自覚を促し、対処していくことが重要だと考えられる。
注
[1]: 「面倒くさそう」「大変そう」「自分に務まるか不安だ」「やりたくない」「特に関心はない」のいずれかを、1つ以上選択した人
[2]: ハーバード大学の心理学者D.Cマクレランド氏が提唱した、仕事に関わる能力を、見えていない要素も含めて構造的に捉える考え方を、IGSが独自にDXモデルに当てはめたもの。