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人事評価の不満要因、圧倒的1位は「基準の不明確さ」48.3%―識学

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 識学は2021年8月26日、「人事評価の“モヤモヤ”に関する調査」を行った。本調査は、従業員数10人以上300人未満の企業に勤める被評価者で、自社に人事評価の仕組みがある400人から回答を得ている。

 社員の業績や貢献度を評価し、報酬や待遇に反映する人事評価。人が人を評価することもあり、全員が納得・満足できる人事評価を実現するのはなかなか難しいもの。そこで同社は、自社の人事評価について不満や不安を感じることなどを聞き、どのようなことがモヤモヤにつながるのか調査したという。

 自社で行われている人事評価の方法は、回答の多い順に「業績評価」65.0%、「評価シート」53.5%、「事前に設定した目標達成度の評価」47.8%となった。複数の評価方法の組み合わせで人事評価が行われているようだ。社員に評価方法が開示されていない企業は1割以上であることも明らかになった。

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 自社の人事評価について満足しているか聞くと、満足の合計が55.5%、不満の合計が44.6%となった。

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 自社の人事評価に「やや不満」「不満」と回答した人に、不満に思うことを聞いた。その結果「評価の基準が不明確」48.3%が圧倒的1位で、評価基準が明確に設定されていないことが不満につながりやすいことが明らかになった。

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 自社の人事評価の制度において、評価結果が給与や待遇にどのように反映されるか知っているかを聞いたところ、全体では「知っている」55.5%、「知らない」44.5%となった。人事評価に対する満足別でみると、「不満」と回答した人(「不満」+「やや不満」)は人事評価結果が給与や待遇にどのように反映されるか「知らない」の割合が6割近くにのぼることが判明した。

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 評価者の評価能力を10点満点で採点したところ、全体平均は「5.6点」となった。自社の人事評価に対する満足別でみると、人事評価に「満足」(「満足」+「やや満足」)の人は評価者の評価能力が平均「6.5点」、「不満」(「不満」+「やや不満」)の人は平均「4.5点」と、2ポイントの差がつく結果に。評価者の評価能力が、人事評価に対する不満につながっている可能性が明らかになった。

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 評価者の評価能力について不安や不満に思うことを自由回答で聞いたところ、評価者の評価能力について、評価者の主観が入ることや、評価者によって評価基準や評点の甘辛にバラつきがあることなど、評価基準の不明確さによる不安や不満が多く回答された。また、やっていることは同じなのに指摘の内容が前年度と異なる、会社で評価基準が統一されていないなど、評価基準の一貫性のなさも不安・不満の要因となることが分かった。

  • 評価者によってバイアスがかかってないかが不安になる。(26歳男性)
  • 評価者が人によって甘い評価をしたりしていることに不満がある。(36歳男性)
  • 評価基準が不透明であり、面談も行っていないので、評価者の独りよがりな評価になっているような気がして不安になっている。(25歳女性)
  • 主観が入ってしまうのではないかというところ。また人によって多少評価の仕方が異なる。(41歳女性)
  • 人間なので仕方ないが、評価に感情が混ざる場合がある。(46歳女性)
  • 数字で表せない部分の評価には限界がある。定量でわかる部分で公平に判断してほしい。(29歳男性)
  • 指示やアドバイスがないので、どうしたら評価されるのかわからない。(46歳女性)
  • やっている内容は前年度とほぼ同様であるのに、指摘の内容が全く異なること。(41歳女性)
  • 会社として評価基準が統一されていない。(29歳女性)

 人が介在しない評価方法を導入してほしいか聞くと、全体では「導入してほしい」19.5%、「やや導入してほしい」40.3%となった。評価者の評価能力点数別でみると、全体平均より低い「1点~4点」の層では、導入を希望する割合の計が64.3%。また評価者の評価能力点数が全体平均より高い「7点~10点」の層においても、導入を希望する割合の計が61.9%となった。現状の評価者の評価能力に関わらず、属人的でない評価方法を望む人が多いことが分かった。

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 直近半年間(2021年3月~2021年8月)に週3日以上リモートワークした人の半数以上が、リモートワークでの人事評価に不安を感じたことが分かった。

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 リモートワークをする中で、現在の人事評価のされ方に不安を抱いたことが「ある」と回答した人に、どのような不安を抱いたか聞いた。評価の判断基準や実績の根拠など、評価指標が不明であることから不安を感じたとの回答が多くなった。また出社していないことがマイナス評価になるのではないかという不安や、勤務状況が見えないことが不利に働くのではないかと感じる人もいるようだ。

  • 評価の判断が難しそう。(30歳男性)
  • 何をもとに実績をはかっているのか、全くわからない。(57歳男性)
  • 経営陣が昭和脳で、出社・残業している方が頑張っているという見方をされる。リモートでもちゃんと働いてるのに、リモート=サボりと思われかねない。出社していても雑談ばかりで仕事しない人もいるので不公平。(31歳女性)
  • 互いに状況を見ることが困難なので、信頼関係が築けているかわからない。(29歳男性)

 直近半年間で週3日以上リモートワークした人に、現在の人事評価制度でリモートワークに適応できていないと思うことを聞いた。最も多い回答は「成果の基準が不明確であること」42.5%となった。勤務状況が見えにくいリモートワークだからこそ、何をもって評価されるのか、その基準を明確にしてほしいと感じる人が多いのかもしれない。また、リモートワークを行っている企業の7割以上で人事評価の対応に遅れが生じていることも明らかになった。

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 日本国内でも注目されているジョブ型の雇用制度や成果主義の評価方法について、現在の職場にかかわらずそのような働き方をしたいと回答した人は約6割だった。リモートワークなどの働き方の多様化に伴い、業務内容とその成果のみによるシンプルな評価を望む声が今後も増えていくのかもしれない。

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HRzine編集部(エイチアールジンヘンシュウブ)

労務管理から戦略人事、日常業務からキャリアパス、HRテクノロジーまで、人事部や人事に関わる皆様に役立つ記事(ノウハウ、事例など)やニュースを提供しています。

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