EDGEは、1on1が難しいと感じた人を対象として、1on1の導入および運用改善のためのチェックリストを無料で公開した。
同社は、経営者・人事部門責任者向け1on1セミナーや、音声感情解析により質の高い1on1の実施をサポートする「エアリーフィードバッククラウド」の提供を通じて、1on1の成功ならびに改善支援を行ってきた。その中で、多くの企業が1on1を安定的に運用できる前段階の「1on1の落とし穴」でつまずいていることが明らかとなったという。
今回、そのつまずきの原因を以下の4要素(落とし穴)にまとめ、チェックリスト形式で公開した。
4つの1on1の落とし穴
1on1実施の目的や意義が明確になっていない
会社における人事戦略や組織戦略、中長期的な経営メリットから落とし込むのではなく、「流行っているから」「テレワークでコミュニケーションの機会が減ったから」といったような場当たり的な目的で1on1を導入した場合、1on1は形式的なものとなり、現場からは意味のない時間として認識され、制度が形骸化してしまう。
目的や意義が現場に浸透していない
上司・部下双方にとって、現場での日々の業務が忙しい中、1on1実施の時間を確保することは少なからず負担となる。目的や意義が明確ではなく、必要性を感じていないと、現場の仕事や業務の優先度に圧迫され、1on1の実施がないがしろにされてしまう。上司の力量に大きく依存し、導入後すぐに成果につながらないケースもある。
1on1が有意義なものとして認識されるためには、上司はもとより、部下に対しても目的や意義をしっかり伝え浸透させていくこと、そしてより良い1on1実施のためのサポート策を会社が講じていることを見せることが重要。
1on1導入時の研修が行動変容につながっていない
部下が主役となるべき1on1において、上司は部下の価値観に寄り添い、伴走支援する姿勢が求められるが、上司はコーチングやキャリアカウンセラーではない。その一方で、同社の調査では、「上司が自分の価値観を理解してくれていない」と回答する部下の割合は58.1%(2021年4月15〜16日実施、n=400)にのぼり、部下に寄り添った1on1が実施されていないことも明らかとなっている。1on1導入時の研修では、マニュアルを覚えこませるのではなく、「部下に寄り添えていないかもしれない」と上司に気づかせ、その上で信頼関係醸成を行っていくための手段を伝え、定着を支援していく姿勢が必要となる。
1on1を改善、前進させる仕組みが構築できていない
部下から上司へ1on1に関するフィードバックをすることは、関係性を考えると難しく、上司は部下の心情を把握することが難しい。主観ではなく客観性ある指標で1on1を評価し、改善を促していく仕組みがなければ、1on1の目的を果たすことは難しくなる。
同資料の目次
- 本資料について
- チェックリストサマリー
- 目的設計について
- 制度浸透について
- 教育研修について
- 管理体制について