カシオ計算機は、人材データベースを一元化して戦略人事に取り組む企業に向け、従業員の自律性を育成するための人材マネジメントシステムを開発。カシオヒューマンシステムズより、「Hito-Compass(ヒトコンパス)」の名称で6月に発売する。
Hito-Compassは、従業員の自律的な成長と企業における人材活用をコンセプトに、各企業に最適な人材戦略を支援するクラウド型の人材マネジメントシステム。システムが提示するフローに従うことで人事施策の実行を支援する機能を搭載し、タレントマネジメントシステムを導入しても効果を実感できない企業の悩みを解決する。これにより、多忙な人事部門でも、戦略人事のPDCAサイクルをスムーズに回すことができるという。
同社は今回、第1弾のサービスとして、人材データベースを管理できる「Hito-Compassファインダー」と、企業ビジョンや自身のレベルに適した目標管理ができる「Hito-Compassプロミス」をリリースする。
Hito-Compassファインダーでは、グループ会社も含めたすべての従業員情報を集約し、人材データを一元管理することができる。最新の人事データを集約することで、組織戦略を考える際に必要な人事基本情報を一目で確認でき、人事部門内における組織課題の発見をサポートする。また、部門長や所属長も、それぞれの権限に応じた人材情報の閲覧が可能なため、部下育成や組織体制の構築時に活用できるという。
Hito-Compassプロミスでは、先輩社員や同僚の目標を参照できるため、従業員が自身に求められる職務レベルやキャリアについて考えながら、自律性をもった目標管理の運用が可能。また、上位方針を部下へ割り振る目標紐づけ機能を備えており、従業員は会社のビジョンや組織の目的を正しく理解した上で、自身の目標を設定し業務を遂行できる。
Hito-Compassでは今後、従業員のスキル管理やコミュニケーション、健康増進をサポートする各種サービスを拡張していく予定。加えて、カシオヒューマンシステムズの人事統合システム「ADPS」と併せて導入することで、賞与計算などの人事業務が評価制度と連動した統合プラットフォームとして管理できるようになり、業務の効率化や他社人事システムとの連動コスト削減につながるという。
各サービスの特徴は以下のとおり。
Hito-Compassファインダー
グループ会社をまたぐ人材管理・検索が可能。基本情報から評価・スキル情報まで、人事部門や部門長、所属長が必要な情報を一ヵ所で確認できる。検索した結果はタグをつけてグループ分けができ、タグから人材リストを呼び出すことも可能。これにより、滞留年数が多い従業員の異動検討や、昇格候補者の選抜などに活用できる。
Hito-Compassプロミス
組織目標の達成に向けて、目標設定と進捗管理の質を改善。部門長や所属長が上位方針を分解し、部下のスキルや志向性に合わせた書き方で割り振ることで、従業員が納得した上で日々の業務を遂行できる。社内の他者を条件で絞り込み検索でき、匿名の状態で目標内容の参照が可能。自身の役割に求められるレベルの確認や、異動直後の目標設定に悩んだ際の参考情報として活用できる。
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