米オラクルは4月13日(米国現地時間)、包括的な従業員エクスペリエンス(EX)を実現するプラットフォーム「Oracle ME(Oracle My Experience)」を発表した。
同プラットフォームは、「Oracle Fusion Cloud Human Capital Management(Oracle Cloud HCM)」の一部として提供される。個々の特性や状況に応じた適切なワークフローを従業員に提案し、社内での関係強化を支援するほか、上司との継続的なフィードバックの共有を可能にすることで、優れた従業員エクスペリエンスを提供するという。
また、マネージャーは従業員の感情をリアルタイムで追跡して対処できるようになり、人事は必要なときに必要なツールに直接アクセスして、パーソナライズされた従業員コミュニケーションを提供。従業員全体をサポートできるようになるとしている。
なお、同プラットフォームには以下のOracle Cloud HCMソリューションが含まれている。
Oracle Touchpoints
マネージャーと従業員の関係強化や、従業員の福利厚生と成功をサポートするための従業員リスニングソリューション。マネージャーは、パルス調査を通じて継続的に従業員に関するインサイトを得られるほか、チェックイン(継続的に行うリアルタイムでのフィードバックの機会)のスケジュール設定、フィードバックの提供、慶事のお祝いなど、次に取るべき推奨アクションを受け取ることができる。また、同ソリューション内の従業員エンゲージメントセンターでは、チェックインのためのトピックの設定と整理、ミーティング履歴の確認、継続的なフィードバックの提供、および推奨されるアクションへのアクセスなどを、単一の場所から実行可能にする。
Oracle HCM Communicate
人事がコミュニケーションの設計、送信、観察、および影響の測定を支援し、新しい従業員に積極的に働きかけるためのサービスソリューション。Oracle Cloud HCMに直接組み込まれたHCM Communicateにより、組織の従業員データに接続でき、人事は特定のグループをターゲットに、パーソナライズされたコミュニケーションを作成できる。また、メッセージの開封率分析を通じてコンテンツへのエンゲージメントを測定し、フォローアップの送信や継続的なキャンペーンを実施して、効果的なコミュニケーションの推進を実現できる。
Oracle Journeys
複雑なタスクを、ステップごとのプロセスとパーソナライズされたガイダンスによって簡素化するワークフローソリューション。オンボーディング、職場での従業員の安全管理、キャリア機会の拡大、チームの報酬管理、新しい施設のオープンなど、個人、仕事、管理、運営に関する活動について、従業員に次のステップをガイドする。また、新たな機能強化により、従業員のデジタル上のジャーニーに沿った適切な指示、トレーニング、分析を表示し、十分な情報に基づいた意思決定を支援するという。加えて、オラクルやサードパーティのアプリケーションからのワークフロー、アクションとリソースを含めるように拡張でき、組織全体における複数のビジネス、ニーズに対するガイダンスを提供することが可能となっている。
Oracle Connections
従業員が組織内の他の人を検索してつながれるようにすることで、コラボレーションを促進。インクルージョンと内部異動の機会を増やすという。従業員はLinkedInのプロフィールをインポートしたり、自己紹介動画を録画したりできるほか、スキルや実績をハイライトしたり、画面上でフィードバックを共有したりして、お互いをより理解し、ネットワークを拡大することができる。
Oracle HR Help Desk
サービスリクエストを管理するソリューション。従業員は必要とする回答を得られ、また人事は機密データが悪用されるリスクを心配せずに、それぞれのサービスリクエストを追跡することができる。従業員は、「Oracle Digital Assistant」(後述)、SMS、メール、ソーシャルプラットフォームなど複数のチャネルを通じてコンテンツを検索したり、問い合わせをセキュアに送信したり、ヘルプ・チケットを発行したりすることができる。
Oracle Digital Assistant
従業員が即座に質問の回答を受け取ったり、音声やテキストを使用して直接簡単に対話型インタフェースを提供したりできる、人事チャットボット。90以上の事前作成済みのトランザクションをサポートできるほか、ソリューションを拡張して新しいプロセスや要件をサポートすることも可能だとしている。
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