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インタビュー《企業経営》| メンタルヘルスとの関係

人的資本経営はメンタルヘルスの改善から! では何から手を付ければよい?

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 メンタルヘルスデータ測定をベースに組織改善を支援するツール「ラフールサーベイ」を提供する株式会社ラフールは、立正大学心理学部とともに、同ツールで収集した121社4890名の回答データをもとに、緊急事態宣言前後における従業員のストレス状況の変化を分析した。コロナ禍は働く人々のメンタルヘルスにどのような影響を与えたのか。また、最近注目を集めている人的資本経営に、メンタルヘルスへの取り組みがどう関わってくるのか。同社 代表取締役 社長 CEOの結木啓太氏に話を聞いた。

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リモートワークによって変化したストレス要因

――新型コロナウイルスの感染拡大という外的要因によるストレスにさらされたことで、働き方に影響が出ている人たちは多いかと思います。御社では「ラフールサーベイ」にて収集されたデータをもとに、緊急事態宣言前後における従業員のストレス状況の変化について調査・分析をされていますが、その結果から見えてきたことを教えていただけますか。

 そうですね。コロナ禍前後で不調者が増えているというのは、体感されている方も多いのではないかと思います。しかし、実際のデータで見ると、人数的にはそれほど大きくは増えていません。

 むしろ、テレワークを実施している企業では、上司との関係が良好になってストレス状態が改善されたことが分かりました。対面で会話できないコミュニケーション不足を解消するために1on1の回数を増やすなど、コミュニケーション量を増やす取り組みに注力された企業が多かったからではないかと考えています。

結木 啓太氏
結木 啓太(ゆうき けいた)氏
株式会社ラフール 代表取締役社長
1981年、宮城県仙台市生まれ。営業支援会社などを経て、2008年に株式会社トラストマネージメントの取締役に就任。2011年、株式会社ラフールを設立し、代表取締役社長に就任。創業から約10年、一貫してメンタルヘルス事業に取り組んでいる。

――なるほど。それは興味深い結果ですね。

 一方で、同僚同士で行われる横のコミュニケーションが不足していることによって、ストレス状態が悪化しているという結果も出ています。

 以前は席の近い人に「これって、どうだったっけ?」と気軽に聞けたことが、離れているとつい確認するのを後回しにしてしまったり、「わざわざ確認するほどのことでもないかな」と遠慮してしまったりして、モヤモヤがたまっていくのだと思うんですね。

 ですから、リモート下でもメンタルの不調を防いでパフォーマンスを上げたいと考えていらっしゃる企業には、「横のコミュニケーション不足の解消に向けた取り組みを大切にしたほうがよい」とお伝えしています。

――よく分かりました。他にも何か発見はありましたか。

 今の時代、男女の区別をするのは望ましくないかもしれないのですが、我々の調査結果によると、男性に比べて女性のほうが将来のキャリアに対する漠然とした不安を感じて、精神的に疲弊されていることが分かりました。リモート下で1人になる時間が増えて、「私、このままでいいんだっけ?」と悩み始め、負のスパイラルに陥るケースが散見されます。

 また、特にスタートアップでは、女性に業務の偏りが出やすいようで、「自分ばかりが大変な思いをしているのに、評価が見合っていない」と不満を募らせている方が多い。もともとコミュニケーションを取ることに長けていた女性が、リモート下でも自発的に動いたことで、業務が集中してしまっている可能性があります。

 「女性の管理職比率を高めるために『管理職になりませんか?』と声をかけても断られてしまう」と悩んでいらっしゃる企業は、こうした働き方をする女性の気持ちに寄り添って、モヤモヤを解消するためのケアをより厚くしていく必要があるでしょうね。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事...

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OGURA(オグラ)

フリーランスフォトグラファー

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