パーソルキャリアは、9月の転職求人倍率をまとめた「doda転職求人倍率」を発表した。doda転職求人倍率は、中途採用市場における需給バランスを表すもので、dodaの会員登録者(転職希望者)1人に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値。
9月の転職求人倍率は、前月から+0.02ポイントの2.11倍となった。求人数は前月比103.9%、前年同月比146.5%だった。転職希望者数は前月比103.1%、前年同月比110.8%となった。
求人数は、業種別では12業種(「その他」は除外)のすべてで前月から増加。最も増加率が大きかったのは「小売・流通」(前月比107.2%)、次いで「メディカル」(前月比107.1%)だった。職種別でも11職種(「その他」は除外)のすべてで前月から増加し、増加率が最も大きかったのは「事務・アシスタント」(前月比108.5%)、次いで「専門職(メディカル)」(前月比106.8%)となった。
9月の解説および翌月以降の見通しについては、同社は以下のように述べている。
9月の求人数は、2020年9月から25ヵ月連続で増加し、前月に引き続き過去最高値を更新した。求人増加率が特に大きかった「小売・流通」では、ドラッグストア関連の企業で求人が増加。その背景には、引き続きマスクなどの衛生用品の売り上げが好調なほか、インバウンド需要の拡大による外国人の来店増加を見越して採用を強化したと考えられる。
一方で転職希望者数は、冬の賞与後の転職を見据えて転職活動を始めるタイミングであり、例年9月を境に増加傾向に転じることから、今年も同様に増加。求人数の増加幅が転職希望者のそれを上回ったことで、転職求人倍率は上昇し、前月に引き続き過去最高値を更新した。
10月の求人数は、経済活動の活性化により、引き続き企業の人手不足が深刻化していると考えられるため、増加すると思われる。一方で、転職希望者数は、9月に続いて冬の賞与後の転職を見据えて転職活動を始める人が増える傾向にあり、翌年1月の入社を目指す人が今年も同様に増加すると予想され、転職求人倍率は横ばいになる見込み。
今後、入国者数の上限撤廃や短期滞在のビザ免除、観光需要喚起策などに伴い、「レジャー・外食」など一部の企業の求人動向に影響が出ると推測される。
【関連記事】
・8月「doda転職求人倍率」を発表、前月比2.09倍で過去最高値を更新―パーソルキャリア
・7月「doda転職求人倍率」を発表、転職求人倍率は前月比1.98倍―パーソルキャリア
・「doda転職求人倍率」を発表、6月求人数・転職希望者数ともに増加―パーソルキャリア