2021年9月、いきなり従業員約8万人もの規模でスタートしたキンドリル。IBMからITインフラのマネージドサービス事業を分社化して誕生したという経緯から、組織は従前にある程度できていたと想像される。しかし、実際には過去の延長線上でビジネスを展開するのではなく、全く新たな企業カルチャーを醸成し、従業員の意識を変革していった。キンドリルの価値観を集約した「The Kyndryl Way」の策定もその一環だ。今回は、キンドリルがカルチャー浸透にこだわった理由や新たなカルチャーの考え方、社内にカルチャーを浸透させるための工夫などを、同社の最高人事責任者(CHRO)であるメアリージョー・シャーボネー氏に聞いた。
キンドリルが新たなカルチャーにこだわった理由とは
——まずキンドリルについて教えてください。
キンドリルは、世界最大級のITインフラサービス企業です。お客様のミッションクリティカルなシステムを運営しています。そうした重要なシステムを通じて、人類の進歩を実現していくことが私たちのビジョンです。
もともと私たちはIBMの一部門で、3年半前にスピンアウトしました。それは、私たちにとって新たなカルチャーを考える素晴らしい機会となりました。社内ではそのカルチャーを「The Kyndryl Way」と呼んでいますが、私たちの進歩の中核とする考え方となっています。
メアリージョー・シャーボネー(Maryjo Charbonnier)氏
キンドリル 最高人事責任者(CHRO)
ウォルターズ・クルワーからキンドリルに入社。大規模な企業変革における豊富な経験を生かし、キンドリルが事業を展開する60ヵ国以上において、同社が第一に選ばれる企業となるためのグローバルな取り組みを主導する。また、同社の約8万人の従業員が顧客に貢献しながらスキルとキャリアを向上できるよう、人事システムとプロセスの全面的な改革を指揮。同社の企業カルチャーである「The Kyndryl Way」の創造と推進というグローバルな取り組みも主導する。
——設立時には従業員数がすでに約8万人だったということですが、その人たちにとってカルチャーを新しくつくる必要性があったわけですね。
私たちは、カルチャーがビジネス変革の原動力になると信じていました。そこでまず、従業員に共有してもらいたいカルチャーと行動を定義することから始めました。その行動は、顧客や従業員が話してくれたことに基づいて決めたものです。そして、リーダーたちと協力して行動を定義し、私たちのカルチャーの中で従業員らに根付かせるために活動してきました。
私たちがやりたかったことは、新しい方法で顧客にサービスを提供し、成長軌道に戻るということです。顧客からは、「もっと革新的であってほしい」という声も寄せられました。そこで、私たちのカルチャーにその行動を活かしていくために、まずはリーダー全員に、次にマネージャーを、さらには従業員のトレーニングを行いました。
そして、収益計画や利益計画のように、カルチャーにも年次運営計画が必要だと考え、コミュニケーションチームやマーケティングチーム、トランスフォーメーションチームとのパートナーシップに基づいて、毎年運営計画を立てています。その計画は、私たちのCEOによって直接支援されています。
——事業を成長軌道に戻すにはカルチャーと行動の定義が必要だったということでしょうか。
私たちのビジネスの根本は、キンドリルで働く従業員がどのように考え、行動するかだと信じています。特に私たちのようなサービス会社においては、これはとても大切なことです。これによって、競合優位性が獲得できると考えています。
私たちは、「顧客にとって何が大切か」「未来に向けて何が大切か」、そして「社員にとっても何が大切か」に焦点を置きました。それをもとにカルチャーをつくってきました。
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- この記事の著者
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北浦 汐見(キタウラ シオミ)
都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。
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市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)
1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事をテーマとする「...
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袖山 俊夫(ソデヤマ トシオ)
上智大学法学部卒。上場企業に入社し、宣伝部に在籍。その後メディア・コーディネーターとして独立。以来、多くのフリーランススタッフと案件ごとにユニットを編成し、大手新聞社グループ各社が発行する媒体のコンテンツ制作をハンドリングする。現在は、執筆業に専念。経営やHR分野を中心に、企業経営者や人事責任者、大学教授などのイン...
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