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特別寄稿《メタバース》 | メタバース活用のメリットと事例

メタバースを人事業務で活用する4大メリットとは?デンソーソリューション、エンカレッジ、ANA、越前市の事例とともに解説

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 ここ2~3年でよく耳にするようになった「メタバース」。定義は諸説あるが、オンライン上の仮想空間のことで、世界中の人が共通の空間にアクセスできる点が特徴だ。ビジネスにおいても注目度は高まっており、メタバース総研の今泉響介氏によると、人事業務においてメタバースを活用するメリットは「社員のエンゲージメント強化」「採用力強化」「社員教育の効率化」「社員のメンタルケア強化」の4つだという。本記事では、メタバースを人事業務で活用する4つのメリットについて解説するとともに、それぞれの事例を紹介する。

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メリット1. 社員のエンゲージメント強化

 メタバース活用の1つ目のメリットは、メタバースオフィスの導入による社員のエンゲージメント強化です。メタバース上のオフィス空間を活用することで、アバターの姿でテキストやボイスチャットでのコミュニケーションを行えます。リモートワークで物理的な距離は離れていても、まるで対面で働いているかのような感覚を得らるため、社員の業務に対する主体性の向上や職場への帰属意識向上によるエンゲージメントの強化が見込めます

 メタバースオフィスでのコミュニケーションは、メタバースオフィスを利用しない場合と比べて次の2点が異なります。

コミュニケーションの活発化

 1つ目はコミュニケーションの活発化です。SlackなどのチャットツールやZoomなどのビデオ通話ツールでのコミュニケーションは、メールや電話がメインだった時代と比較すると手軽でリアルに近いものとなりました。一方で、相手の様子が見えないことによる「いま連絡をしてよいのか分からない」「質問したいときに気軽に連絡が取りづらい」といった課題は残っています。メタバースオフィスでは、社員の様子がアバターとしてリアルタイムで可視化されるため、コミュニケーションを取りやすくなることが期待できます。

自然発生的なコミュニケーションの創出

 2つ目は自然発生的なコミュニケ―ションの創出です。SlackやZoomでは、明確に目的がある場合のコミュニケーションは円滑に行えるものの、たまたま近くにいる同僚と雑談するといった自然発生的なコミュニケーションの機会は限られています。メタバースオフィスでは、従来のリアルオフィスと同じようなコミュニケーションの機会を創出し、社員同士の心理的なつながりや、新たな取り組みへのきっかけを生み出すことができます。

事例1. デンソーソリューション

 デンソーソリューションは、2022年からメタバースオフィスサービス「ovice」を導入しています。

デンソーソリューションが利用しているメタバースオフィスサービス「ovice」(ovice公式ページより引用)
デンソーソリューションが利用しているメタバースオフィスサービス「ovice」(ovice公式ページより引用)

 oviceのメタバースオフィスではリモートワーク下でも、誰がいま何をしているかを可視化できます。同社はこれを利用し、「いま連絡してよいか分からない」「質問したいときに気軽に連絡が取りづらい」という、チャットツールやビデオ通話ツールなどを使ったコミュニケーションにおける課題を克服する仕組みをつくりました。

 また、メタバースオフィス上に業務ごとのエリアを設定し、アバターを介してそこに社員が集うようにして、「同じ場所でいっしょに仕事をしている」感覚を持てるようにしました。実際、同社ではこれによりリモートワークでもチームとしての一体感が得られるようになったといいます。

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この記事の著者

今泉 響介(イマイズミ キョウスケ)

株式会社メタバース総研 代表取締役社長。慶應義塾大学経済学部卒業。 日本企業のメタバース活用を推進するイノベーションパートナーとして、メタバース/XRが暮らしのあたりまえになる”未来”をひきよせるべく、 国内最大級のビジネス向けメタバースメディア「メタバース総研」の運営やメタバースコンサルティング/開発サー...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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