PeopleXは、企業の人事業務に従事する正社員(以下、人事)、人事以外の業務に従事する正社員(以下、他職種)を対象に、「エンプロイーサクセスに関する実態調査」を実施した。
エンプロイーサクセスとは、企業の持続的な成長のために、社員が能力を発揮できるよう支援する概念である。社員が能力を発揮するためには、「エンゲージメント」「イネーブルメント」「セレブレーション」の3つの支援が必要だという。今回、エンプロイーサクセスの実態調査から、セレブレーション施策に焦点を当て、取り組み状況や満足度について分析を行った。
企業のセレブレーション施策の導入率ランキング
人事と他職種を対象に、セレブレーションのために導入している施策について質問したところ、1位「勤続年数、定年退職をたたえる制度」(63.1%)、2位「勤続年数、定年退職をたたえるギフト贈呈(お花や記念品など)」(59.5%)、3位「新入社員を歓迎するイベント」(56.9%)となった。
入社、勤続年数、定年退職という大きな節目ごとの賞賛や、会社公式の半年・1年に1回の表彰などの施策は導入率が高く、社員同士・チーム内での日々のセレブレーションを促す施策を実施している企業は少ない傾向が見られた。
人事・他職種が、効果を感じる施策ランキング
人事と他職種それぞれに、自社で導入されている施策のうち、その効果について質問したところ、人事の1位は「会社公式で挑戦やプロセスを表彰する制度(半期・年度単位)」、他職種の1位は「チームで自発的に目標達成・成果達成をたたえる仕組み」となった。人事が最も効果を感じている「会社公式で挑戦やプロセスを表彰する制度」は、他職種では5位となり、人事と他職種との効果実感にギャップが見られた。
人事・他職種が、効果を感じない施策ランキング
一方、効果を感じていない施策について質問したところ、人事の1位は「勤続年数、定年退職をたたえるギフト贈呈(お花や記念品など)」、他職種の1位は「社員同士で日々の感謝の気持ちを互いに送り合う仕組み・制度」となった。人事・他職種ともに、順序は違えど「勤続年数、定年退職をたたえるギフト贈呈(お花や記念品など)」「社員同士で報酬を贈りあう仕組み・制度」「社員同士で日々の感謝の気持ちを互いに送り合う仕組み・制度」が上位を占めている。
導入率ランキングの1位「勤続年数、定年退職をたたえる制度」について、人事が効果を感じていない施策の5位となり、導入率と効果実感へのギャップが明らかになった。
人事が導入したい・他職種が導入してほしい施策ランキング
人事と他職種を対象に、自社で未導入だが導入を希望する施策について質問したところ、人事は1位「社員同士で日々の感謝の気持ちを互いに送り合う仕組み・制度」、2位「会社公式で挑戦やプロセスを表彰する制度(半期・年度単位)」、3位「チームで自発的に社員の誕生日や記念日を祝うイベントや制度」となった。
一方で、他職種の1位は「チームで自発的に目標達成・成果達成をたたえる仕組み」、2位「会社公式で目標達成・成果達成を表彰する制度(半期・年度単位)」、3位「社員同士で日々の感謝の気持ちを互いに送り合う仕組み・制度」と続いた。
他職種では1、2、4位で「目標達成・成果達成をたたえる」施策への導入希望が集まり、人事はプロセスや社員個人に焦点を当てる施策を希望する傾向が見られた。
未導入のセレブレーション施策、実施できない理由ランキング
人事を対象に、未導入だが導入を希望する施策について、実施できない理由を質問したところ、4項目全てにおいて「予算がない」が3位以内となった。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査時期:2024年5月10日~13日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:人事業務に従事する正社員1031名、人事以外の業務に従事する正社員1026名
- 調査機関:マクロミル