HRBrainは、事業戦略発表会を8月26日に開催した。
まず、同社 代表取締役の堀浩輝氏が登壇。「勤怠」「学習」「福利厚生」領域の新プロダクトと、AIを活用した新サービス「Brain」[1]を順次リリースすることを発表した。Brainでは、社内外のSaaSデータを統合的に学習し、離職リスク分析や最適な人材配置など、企業の戦略人事をサポートする。堀氏は、AI活用の根底には、「人の事だから、ちゃんと深く考えたい。」という思想があるとして、勘や経験に頼りがちだった人材育成、評価、配置、タレントマネジメントといった人事業務において、効率化以上の価値を提供できるだろうと強調した。
注
[1]: 変更の可能性あり。来春リリース予定。
「(創業)当時、HR部門のBrainになるという長期的なビジョンを掲げて、現在の社名をつくりました。技術の進歩によって、ようやく社名に即した具体的なサービスをみなさまに展開できることをたいへん喜ばしく思っております」(堀氏)

続いて、同社が重視する「人的サポート」について、同社 執行役員の冨岡亮介氏、カスタマーサクセスの北村氏、expmの横井氏がパネルディスカッションを実施。ディスカッションの最初には、顧客である東レや双日テックイノベーションからのビデオメッセージが紹介され、同社の手厚いサポート体制が高く評価されていることが明かされた。
「正解が1つではない人事領域において、お客様と同じ目線、同じ方向を向きながらいっしょにゴールを目指すことを心がけている」(北村氏)

続いて発表されたのは、勤怠管理システム「KING OF TIME」を提供するヒューマンテクノロジーズとの提携だ。この連携により、「HRBrain 勤怠管理クラウド」をリリースし、HRBrain内で勤怠打刻ができるように。さらに、データ基盤をシームレスにつなぐことで、勤怠データを活用したパフォーマンス分析などを実現するという。
ヒューマンテクノロジーズ 代表取締役社長の家﨑晃一氏は、「我々が勤怠データを提供することで、企業の人的資本経営が次のステージに進むのではないかと思っている。この新しい取り組みに、HRBrainと挑戦していきたい」と述べた。

また、eラーニングプラットフォーム「Udemy」とのデータ連携も発表された。これにより、Udemyの受講データなどを、HRBrain内でも確認できるようになるという。ベネッセコーポレーション 執行役員 社会人教育事業領域担当(Udemy日本事業責任者)の飯田智紀氏は、「人事領域のDXを進めるためには、人事に関わるあらゆる業務の見える化が重要になっていく。ラーニングや人材育成といった領域でも、学習に関するデータをタレントマネジメントや勤怠などのデータと掛け合わせて分析することが当たり前になりつつあるいま、UdemyとHRBrain間のデータ連携をシームレスにする今回の協業は、顧客に喜んでいただけると思う」とコメントした。
HRBrain 技術&プロダクト統括兼CHRO 永山康樹氏も、「HRBrainで見れるデータがリッチになることで、人事だけでなく、現場でマネジメントをされている方にも、メンバーのスキルギャップの可視化や個別最適なリスキリング提案などが支援できるようになる」と手ごたえを感じているようだ。

そして、これらのサービスを日本全国の企業に届けるための推進力として、SB C&Sとの戦略的パートナーシップが発表された。HRBrain 副社長の白井崇顕氏は、「SB C&Sの広大な販売網を活用することで、日本の津々浦々までAIのテクノロジーとサービスを届け、日本の人事を元気にしていきたい」とビジョンを語った。
また、SB C&S 執行役員(ICT事業 クラウドサービス・技術推進担当)兼 ICT事業本部 クラウドソフトウェア推進本部長の守谷克己氏は、「当社がSaaSの提案に力をいれている。その中でも、HR領域は非常に伸びしろが大きい」 とHR SaaS市場への期待をのぞかせ、同社が持つ幅広いプロダクト群に加えて、手厚いサポート体制も魅力であると指摘した。
