オンボーディング施策の効果は約4割が把握していない
次に、各社のオンボーディングの現状レベルを見ていく。「初期立ち上げに向けた取り組み」では、16.9%が入社手続きや最低限の研修のみにとどまっていることが明らかに。
さらに、「定着に向けた取り組み」では、離職・定着率改善に取り組んでいる企業が4割を超える一方で、「活躍に向けた支援」は「中途入社者の活躍に向けた具体的な支援はない」「中途入社者の活躍についての定義がない」が合計で34%を超えている。
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キャリア開発の取り組みレベルについても、「通常のキャリア面談や自己申告制度はあるが、中途入社者の活用は意識できていない」企業が28.0%、「(そもそも)キャリア開発支援は行っていない」企業は9.2%存在した。
上司の関わり方を見ても、「業務支援やOJTは行っているが、定着や活躍に向けたフォローは不十分」な企業が26.3%、「配属後のフォローは任せきりで、『即戦力』だと思っている」企業は8.4%も存在している。
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また、オンボーディング施策の効果測定についても、「実施していない」(28.4%)、「わからない」(8.9%)という結果となり、オンボーディング施策の実態の把握ができていない企業が多いことがうかがえる。
「一方で、今後注力したい施策を聞いた設問では『オンボーディング全体の仕組み・体制整備』(48.1%)が最多、次いで『中途入社者の活躍・定着状況の現状把握』(38.8%)が続いています。さまざまな課題が見えた本調査ですが、まずは現状把握と体制整備から着手しようとする企業の意欲がうかがえました」(馬越氏)
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「経験者は即戦力」は幻想 キャリア入社者にこそ必要なフォローも
馬越氏は最後に、「経験がある人を採用すれば、即戦力としてすぐに活躍してくれるという認識は幻想です。むしろ、仕事で成果を上げるために必要な企業独自の文化や暗黙のルール、社内人脈の構築は、新卒であれば自然と身に付きますが、キャリア入社者にはフォローが不可欠です」と呼びかける。
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内藤氏も、「人材不足が深刻化し、キャリア採用を増やす方針の企業も多いいま、キャリア入社者に活躍してもらうためには、離職や休職といった目に見える課題が発生する前から、中長期的な視点でオンボーディングに取り組む必要がある。採用と育成が連動した一気通貫の支援体制を築くことが、キャリア入社者の定着と活躍を成功に導く鍵となります」と述べて、本講演を締めくくった。

