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2026年2月5日(木)@オンライン

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未来へ駆動する「戦略人事」のヒント:AI時代の人・組織・制度を考える | 高業績チームをつくる方法

“スター人材”や“偶然”だけでは高業績チームは生まれない——人事が押さえるべき「10の視点」とは

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5. Communication(コミュニケーション):会議が多いのに、情報が伝わらない

 会議の数は多いのに、認識齟齬が生まれたり、意思決定に至らなかったりすることがあります。問題は量ではなく、コミュニケーションの設計です。誰が、何を、どこまで決めるのか。どこで共有するのか。こうした境界が曖昧だと、現場は疲弊します。

 人事としては、会議の量ではなく、コミュニケーションの質を高める仕掛けを考える必要があります。

6. Protocols(チームプロトコル):「やり方」は人ではなく、チームに残す

 属人化は、日本企業の長年の課題です。HPTは、役割分担や会議運営、意思決定の方法をプロトコル(ルール)として共有しています。これは管理の強化ではありません。むしろ、余計なストレスを減らし、創造的な仕事に集中するための土台です。

 人事は、それぞれのチームに、会議運営やリモートワークのルールといったチーム運営の型化を促すことが有効です。

7. Overcoming Challenges(課題への向き合い方):困難な時に、チームの本性が現れる

 トラブルや失敗が起きたときに、誰かを責めるのか。それとも、何かを学ぶのか。HPTは、困難な状況こそが、チーム文化を形づくる瞬間だと捉えます。

 人事は、問題が起きた「後」の扱い方にこそ、介入する価値があります。そのためには、トラブル対応時の振る舞いに対する評価や育成への反映が重要です。

ヒント

 「心理的安全性」や「〇〇ハラスメント」という言葉が普及して久しいいま。普段はコミュニケーションに気を付けているリーダーでも、問題が起こったり、緊急対応が発生したりすると、気を配れない場面があるでしょう。しかし、そういった場合でも、上司から部下への声掛けを行い、リスクの顕在化を念頭に置いたコミュニケーションを心掛けられるよう、EYのリーダーシップ研修では、クライアントのリーダーたちに振り返りをしてもらっています。

8. Coaching(コーチング):指示待ちから、自律へ

 「もっと自分で考えてほしい」といいながら、答えを先に与えてしまう――。これは、多くの管理職が陥る罠です。コーチング文化とは、問いを通じて考えを引き出す関わり方です。管理職を“正解を持つ人”から、“思考を引き出す存在”へと変えていく必要があります。

 人事は、管理職研修を「教える力」から「引き出す力」へシフトする視点が必要です。

9. Flexibility(柔軟性):柔軟性は制度より「関係性」

 柔軟な働き方は、制度を導入しただけでは実現しません。お互いの事情を話せる関係性があって、初めて機能します。HPTが示す柔軟性とは、「甘さ」ではなく、成果を最大化するための現実的な選択です。

 人事は、制度導入から、成果を最大化する働き方の選択肢を準備する必要があります。

10. Gracious Acts(感謝と称賛):感謝が循環するチームは、折れにくい

 最後に、見落とされがちですが、非常に重要なのが「感謝と称賛」です。評価や報酬とは別に、日常で貢献が認識されているか。小さな「ありがとう」が積み重なるチームほど、困難な局面でも踏ん張れます。

 人事としては、表彰制度だけでなく、日常の称賛行動を可視化する仕組みを用意しましょう。

ヒント

 私の所属するチームでは、半年に1回チームアワードを実施しています。チームメンバーがお互いの行動を称賛するために自分も含めた相互に投票するものです。アワードの中身はさまざまで、「知見の共有に貢献した人」「難しい課題にも忍耐強く取り組んだ人」など、ちょっと見えにくい貢献にスポットライトを当てたものです。メンバーへの感謝が伝わると、照れ臭いながらも喜ばしい表情が毎回印象的です。

人事部は「制度設計者」から「関係性のデザイナー」へ

 HPTが示しているのは、チームの成果は「現場任せ」でも「偶然」でもないという事実です。人事部は制度設計者であると同時に、対話や関係性をデザインする存在として、チームづくりに関与することができます。

 評価制度や研修だけでなく、チームがどのように対話し、どのように意思決定しているのか、どのような関係性が育っているのか。そこに目を向けることが、これからの人事に求められる役割です。

 まずは1つのチーム、あるいは1つのリーダー層と向き合い、対話を通じてチームの働き方を可視化するところから始めることが現実的です。全社一斉に展開しようとするのではなく、まずはスモールステップで始めることが肝要です。なぜなら、HPTは制度や施策の導入ではなく、「チームの行動様式」を変える取り組みだからです。

 次に、人事はリーダーとチームメンバーが「成果」ではなく「行動」に焦点を当てた対話の場をつくります。信頼、対立、責任といった要素は、多くの場合、暗黙のまま放置されています。それらを言葉にし、話し合える状態をつくることが、チームの変化を生み出します。

 そして、人事の役割はリーダーを支援し、チームの対話と関係性をデザインする存在として、日常の会議、意思決定、フィードバックの質に目を向けることです。

 HPTは、小さく始め、行動から変え、学びながら広げていく。それが、人事が高業績チームづくりをリードするための、第一歩です。

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この記事の著者

佐野 香奈恵(サノ カナエ)

金融系シンクタンクを経て現職。
チェンジマネジメントプロジェクトを中心としたコンサルティングと、人事制度設計等の人事領域全般において、幅広い業界・テーマでの実績を有する。システム導入プロジェクトのチェンジマネジメント戦略、新規テクノロジー導入に伴う新しい働き方定着のためのチェンジマネジメント等。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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