KPMGジャパンは、同社の「暗黙知の形式知化エージェント」によって体系化されたナレッジを活用・蓄積し、事前準備から対面での対話、面談後の振り返りに至るまで一連のコミュニケーションプロセス全体を支援する「対人対話ナビゲーションエージェント」を提供開始した。暗黙知の形式知化エージェントは、KPMGのメンバーファームであるKPMGコンサルティングとあずさ監査法人が、企業における暗黙知の継承の困難さや、属人化による業務品質の低下といった課題の解決に向けて提供しているサービス。
近年、労働力不足への対応やコンプライアンス・ガバナンスの強化、データドリブン経営への転換、さらには顧客体験の高度化など、企業を取り巻く課題は多様化・高度化。これらの課題に対応するためには、個人の能力に依存するのではなく、組織として施策を検討・実行できる体制を整えて、体系的な仕組みを構築し、質の高いコミュニケーションを実現することが重要となる。
一方で、対人コミュニケーションはリアルタイムで行われる特性上、その場での判断や対応が求められ、後からの修正や振り返りが難しいため、依然として個人の能力や経験値への依存度が高い領域となっている。このような背景から、対話を記録し、構造化したうえで、活用できる状態として組織的に蓄積・活用していくことが、課題解決に向けて求められている。
KPMGジャパンではこうした潮流を踏まえ、AIエージェントを活用した対人対話ナビゲーションエージェントの開発体制を構築したという。
同サービスの特徴は以下のとおり。
- コミュニケーション内容に応じたリアルタイム補助
- これまでの会話履歴やベテランの知見を活用して、リアルタイムで文字起こしされた対話内容をもとに、深掘りポイントの提示や確認漏れのリマインドなどを実施。これにより、顧客のニーズを的確に引き出し、コミュニケーションの質の向上を実現する。
- データ収集とナレッジ統合
- 文字起こしされたコミュニケーション内容をもとに、優れたポイントを体系的に整理・可視化することで、現場データのブラックボックス化を解消し、暗黙的な知識を効率的に形式知化。これにより構造化されたデータはナレッジデータベースに蓄積され、今後のコミュニケーションや業務に継続的に活用できる。
- ナレッジを活用した事前ブリーフィングの作成
- 過去のヒアリング履歴、CRM情報、業界動向などのナレッジを横断的に活用し、過去の商談における顧客の関心事項や懸念点、成功・失注要因を踏まえた想定質疑や対応方針をAIが事前に提示。これにより、面談の質向上と準備工数の削減を両立する。
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また、同サービスの適用事例には次があるという。
- 採用面接での深掘りポイントや適合性判断など、暗黙知を活用したナビゲーションの実施による評価の一貫性と公平性の向上
- 提案段階での成功事例モデルに基づくナビゲーションによる成約率の向上
- 保険営業における説明漏れ防止を通じたコンプライアンス・ガバナンス強化
- 過去の面談内容を踏まえたブリーフィング生成による1on1ミーティングの準備効率およびコミュニケーションの質の向上
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