track導入は現場にも良い影響をもたらした
オロはtrackを導入したことで、どんな成果を上げられたのか。山根氏の問いに対し、黒河氏は「ペーパーテストからの乗り換えで工数を80%削減できました。trackは自動採点なので、30分後には人事でも選考通過を判断できます。現場のエンジニアに採点の応援を頼む必要もなくなりました」と明かした。また、人事にエンジニア出身者がいないこともあり、評価にブレがあったそうだが、trackの導入で客観的な評価ができるようになり、人事とエンジニアの連携がスムーズになったことも成果の一つだという。
また、trackを使った採用プロセスは、現場にも良い影響をもたらしているようだ。
「振り返ると、これまではベテランが新卒のフォローに時間を取られ、技術力や開発スピードを削がれていた時期もありました。しかし今では、一定水準以上のスキルを見極めた採用ができるようになり、プロダクトをより良いものにすることに集中し、オープンなディスカッションができる環境に変わったと思います」(黒河氏)
新人が、リードエンジニアとペアプログラミングできるようになるまでの時間も短くなった。以前は1年後だったのが、今では入社後3〜6か月後。プロジェクトの体制を柔軟に変えられるようになったという。2016年のツール導入であり、データ蓄積という意味で継続が必要だが、それでも試験のスコアと入社後のパフォーマンスは相関があると実感していると、黒河氏は語る。
山根氏が最後にオロとして目指す今後のエンジニア組織について尋ねたところ、黒河氏は「エンジニアがエンジニアリングに集中できる組織にしていきたいです」と述べた。具体的には、採用の段階から中長期的に活躍する優秀なエンジニアを集め、前向きなエンジニアリングができるようにすることが今後の目標だという。
現在trackは100社以上で使われている。採用の場面だけでなく、社内評価などでも利用できる。社外の優秀な人材とスキルの比較ができるのも大きな特徴だろう。また、スキル評価だけでなく、2018年10月にオンラインプログラミング学習管理ツール「track LEARNING」」をリリース。さらに、国内におけるエンジニア組織全体の能力向上に向け、協力してくれる会社を募る計画だ。