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インタビュー | 組織づくり

ホラクラシー鼎談《後半》――情報をオープンにしてその流れを追求していくと、組織の最適な形ができてくる

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 ホラクラシーを実践する企業・団体のトップ3名にお話をうかがった、その後編です。前編では、scoutyとダイヤモンドメディアにおける取り組みと両社の違い、ホラクラシーと組織への帰属意識などについて語られました。今回は、ホラクラシー組織におけるコミュニケーションと情報共有、意思決定プロセスなどに話題が及びます。

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前編はこちらから。

話者

  • 武井浩三氏(ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役)
  • 島田寛基氏(株式会社scouty 代表取締役)
  • 山田裕嗣氏(EnFlow株式会社 代表取締役、一般社団法人自然経営研究会 代表理事)

ホラクラシー組織を支えるコミュニケーション

島田寛基氏(以下、島田):ホラクラシー[1]って、個人をなるべく排するフレームワークですよね。

山田裕嗣氏(以下、山田):(権限を付与されるのは個人ではなく)ロールですからね。

武井浩三氏(以下、武井):ホラクラシーにも一定のヒエラルキー構造が見られる場合があるけれど、ボスが管理するのではなくて「民主的にみんなでできるようにしようよ」という考えです。役職が固定化され過ぎると、偏りや依存が出る。逆に、情報をオープンにすると個人の権力が弱まるという現象が勝手に起こります。

 2006年に刊行された書籍『奇跡の経営』で、社員に委ね、手放す経営が注目されました。しかし、これに追従しようとした経営者さんはことごとく失敗しました。権限の流動性を高めすぎて、情報を持たない人に判断させていたからです。

武井 浩三氏
武井 浩三(たけい・こうぞう)氏
ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役。
2007年、ダイヤモンドメディアを創業。現在は不動産テック領域におけるITサービスを中心にサービスを展開する。会社設立時より経営の透明性をシステム化し、その独自の企業文化は「管理しない」マネジメント手法を用いた次世代型企業として注目に。またティール組織・ホラクラシー経営等、自律分散型経営の日本における第一人者としてメディアへの寄稿・講演・組織支援なども行っており、2018年7月にはこれらの経営を「自然(じねん)経営」と称して一般社団法人自然経営研究会を設立、代表理事を務める。2017年ホワイト企業大賞受賞。著書に『社長も投票で決める会社をやってみた。』(WAVE出版刊)

島田:判断するには全体が見えていないと。

武井:失敗した会社はヒエラルキーに戻しています。僕は建築や都市学からコミュニティマネジメントを学びました。そこからわかったのは、「内外で行き来できる状態」、つまり開放性が大事だということ。それはオフィスなどに対して物理的に設計するだけではなく、デジタルでもアナログでも設計できます。場が人間関係に与える影響も重要です。

 あと、1on1も実施しています。これは他のメンバーが始めた取り組みですが、個人的には「人間関係を複雑にする」という効用があると思っています。透明性を高めすぎると人間の感情を吐き出す場がなくなり、鬱憤がたまることもあるので、ガス抜きにもなっているのかな、と。

島田:1on1の内容はクローズですか?

武井:そうです。ホラクラシーはコミュニケーションもオープンになっていることが前提なので、全てのやりとりが「オフィシャル」になってしまう。しかし、人間の感情はクローズドでアンオフィシャルな、もっと言えば非日常な場のほうが発露しますよね。

山田:わかりやすく言うと「飲みに行く機会を増やす」とかになりますよね。

武井:昔は気軽に飲みニケーションができましたが、ダイヤモンドメディアでもリモートワーカーや時短勤務の人が増え、全体ではやりにくくなりました。それをSlackやチャットでどうやるか、工夫を凝らしています。

島田 寛基氏
島田 寛基(しまだ・ひろき)氏
株式会社scouty 代表取締役。
京都大学で人工知能・マルチエージェントシステムを専攻。Google(日本法人)でのインターン、Incubate Fundでさまざまな企業における新規事業立ち上げを経験。2016年エディンバラ大学院で人工知能修士(MSc in Artificial Intelligence)を修了。2016年にscoutyを設立。

島田:1on1では相手をどう選びますか?

武井:メンティーがメンターを指名する形です。逆指名ですね。

島田:メンティーとメンターという関係性があるんですね。

武井:はい。 私も1on1を受けさせてもらっています。

島田:うちにも導入したいです。ケアする側とされる側の関係性が生まれているので。僕も誰かにケアされたい(笑)。

武井:ただ、個人的な感想を言えば、かなり近い距離で仕事をしている人がメンターだと感情が邪魔することもあるな、と。「お前に言われたくない」とか感情が出てしまう(笑)。これが少し距離のある相手だと、アドバイスや指摘を自然に受けいれられたりします。うちでは今、HRに興味のあるメンバーが中心となって、メンターのための研修を行うなど、1on1自体の質の向上に取り組んでくれています。

[1]: ホラクラシーとは、組織の中央にいる者が権限をもって組織を決めるのではなく、ガバナンスプロセスにその権限を委譲して民主的に組織を運営する方式。業務遂行に不適合な組織構造があれば、ガバナンスプロセスの中で柔軟に変更していく。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。 Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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