調査は2019年1月~2019年10月に実施。HRテクノロジー主要14社へのヒアリングと、オープンデータの収集により進められた。調査結果はレポート『HRテクノロジーの現状と将来展望 2020年版』としてまとめられ、同社より販売されている。
調査によれば、企業の人材需要は、労働市場における流動化や生産年齢人口の減少、デジタルトランスフォーメーションの進展につれて多様化。人事部門には、より戦略的かつ効率的な活動が求められるようになった。また、そのために人事業務の効率化、精緻化、高度化ニーズが高まっているが、2010年代後半以降、ITテクノロジーやクラウド、スマートデバイス(スマートフォンやタブレットなど)の普及を背景に、そのニーズに応える様々なサービスが登場。HRテクノロジーの市場規模は急拡大を遂げ、2019年の市場規模は1199億円、前年比130%に達したという。
さらに、採用・配置領域、人材開発・組織開発領域、勤怠・労務・給与管理などの領域について、同社は次のように市場を予想している。
- 採用・配置領域
- 検索型の求人サービスのほか、AIや機械学習を活用したマッチング機能を持つサービスの需要が拡大。採用活動のさらなる効率化需要を背景に、従来型の人手を介したリクルーティング支援サービスからのリプレース需要が大きく後押しする形で、中長期的に高い水準の市場成長が予想される。
- 人材開発・組織開発領域
- ITテクノロジーを軸とした、新しい経済性を伴った需要拡大が見られる。先進的な企業における導入事例の共有化が進み、今後さらなる普及が進むことが予想される。
- 勤怠・労務・給与管理などの領域
- 業務の効率化を目的としたクラウドサービスの普及が進展。行政サービスとのIT連携も進んでおり、今後も継続的な需要拡大が予想される。
なお、これらを背景に、2023年の市場規模は、2019年比約2.1倍の2504億円に達すると予想されるという。