アデコでは登録型、無期雇用型でのエンジニア派遣事業をModisとして展開しているが、技術的に容易~中・上位レベルの業務に就いている。一方、VSNでは派遣するエンジニア社員の育成に注力し、中位~最上位レベルの業務に就いてきた。例えば、2011年よりVSNの派遣エンジニアがクライアント企業にコンサルティングも行う高度なサービス「Value Chain Innovator」を提供している(2019年は317件、累計で1250件)。今回の事業ブランドの統合で、Modisは最上位レベルまでカバーするブランドとなる。
今回の発表を行ったアデコ 代表取締役社長 兼 VSN 代表取締役社長の川崎健一郎氏によれば、Value Chain InnovatorはVSNの派遣エンジニアからの意見もきっかけになり始まったサービスだという。エンジニアリングの現場を踏まえた課題解決の提案がなされる点で、クライアント企業にはメリットが大きいだろう。
一方、同社には派遣エンジニアの単価をより高くできるメリットがある。技術提供では高くて1時間で5000円ほどだが、コンサルティングでは1時間で3~5万円が相場。Modis VSNでは1時間で3万円ほどに設定し、技術提供+コンサルティングサービスを提供する市場を広げていく。
なお同社では、エンジニアにコンサルティングスキルを身につけてもらうために、5年前から社内で独自のコンサルティング資格認定を行っている。Value Chain Innovator Associate(VIA)から同Professional(VIP)、同Expert(VIE)まで3レベルあり、VIEの取得者であれば1時間で3万円の単価が付けられるという。認定を受けるのは難しいといい、VIAでも合格率は10%ほど。ただし、5年間の積み重ねで、4300名の社員のうち2000名ほどが認定をすでに受けている。