やっぱり欲しいスカウト文のカスタマイズ
受け手にとってスカウトは、メルマガではなくダイレクトメッセージです。自社にフィットする人に、他社と差別化できる内容で送ったとしても、明らかにテンプレートで作ったと分かる文ではCX(Candidate Experience:候補者体験)が大きく下がり、返信してもらえません。
そうならないためには、相手のプロフィールに合わせて文章をカスタマイズすることが欠かせません。特に新卒採用の場合、中途採用とは異なり、ポジションなどで興味を惹くことが難しいですから、文章のカスタマイズはいっそう重要になってきます。
とはいえ、カスタマイズは手間もかかるし、とても面倒です。そこで今回は、簡単に文章に厚みが出るカスタマイズ方法を伝授します。
3ステップの超簡単カスタマイズ
最初に、「プロフィールから取り上げるもの」を決めてしまいます。
通常であれば、相手に合わせてプロフィールから取り上げるものを変えますが、これを行うには頭をフル回転させながらプロフィールを読み、文章を書く必要があります。そこで、連載第1回で紹介した候補者を探す際の優先順位を参考に、プロフィールから取り上げるものを1つに絞ってしまいます。
例えば、“学生時代に何かに熱中していたこと”が最優先なのであれば、それだけを取り上げて次のように書きます。
[名前]さんが●●●●に熱心に取り組む姿勢に惹かれました。
このように取り上げるものを決めると、プロフィールから取り上げて書き込む部分がかなり限定されますし、多くの場合、プロフィールからのコピペでカスタマイズできます。
次に、上記で取り上げたものに対する“返しの文”を考えます。
ただ取り上げただけではプロフィールを読み込んでいないことがバレてしまいますし、取り上げたものが会社とどのようにつながるのかが不明なため、特別感が出ません。そこで、取り上げたものに対して返しの文を作ります。といっても、プロフィールから何をどう取り上げるかは決まっていますので、文を1つだけ考えてテンプレート化してしまえば大丈夫です。
今回の例であれば、次のように書くのはどうでしょうか。
[名前]さんが●●●●に熱心に取り組む姿勢に惹かれました。私もそうですが、弊社のエンジニアには1つのことに熱中して取り組む者が多く、エンジニア組織のカルチャーとなっています。物事に熱中した経験がある[名前]さんであれば、我々の会社にすぐに馴染んで急成長してくれると思い、スカウトをお送りしました。
これでプロフィールに記載されている事柄のうち、どこに・なぜ注目しているかを候補者に伝えられる文章ができました。しかし、カスタマイズしているのは[名前]と「●●●●」の部分だけです。[名前]の部分は、多くのダイレクトリクルーティングツールに自動で入る変数が用意してありますので、それを使いましょう。
最後に、ダメ押しの文を追加します。ここも、何を取り上げるかをあらかじめ決めておきます。前半で経験や人柄を取り上げているので、ここではスキルについて取り上げるのがオススメです。
実際に書いてみると次のようになります。
[名前]さんが●●●●に熱心に取り組む姿勢に惹かれました。私もそうですが、弊社のエンジニアには1つのことに熱中して取り組む者が多く、エンジニア組織のカルチャーとなっています。物事に熱中した経験がある[名前]さんであれば、我々の会社にすぐに馴染んで急成長してくれると思い、スカウトをお送りしました。
また、▲▲▲▲についてのスキルをお持ちであるのも大変素晴らしいと思いました。ぜひ、そのスキルを弊社のサービス開発に活かしていただきたいです。
いかがでしょうか。これなら工数をかけずにカスタマイズされたスカウト文が書けますよね。