マイナビは、非正規雇用で就労している40代~70代男女を対象にした「マイナビ 2020年ミドルシニア/シニア層の非正規雇用就労者実態調査」を発表した。調査期間は2020年6月12日~2020年6月15日。
ミドルシニア/シニア層で契約社員、派遣社員、パート・アルバイトとして働く人に就労目的を聞いたところ、全体では「自分の生活費のため」が最も高く53.4%だった。年代別に特徴をみると、40代では「貯金(46.0%)」など“将来の備え”のため、60代以降では「健康維持(60代 42.0%、70代 61.8%)」や「人との交流・出会い(60代 31.0%、70代 37.4%)」「充実感ややりがい(70代 32.1%)」など、お金以外の項目が高くなる傾向が見られた。
6月に高年齢者雇用安定法が改正され(施行は2021年4月)、70歳まで就業機会を確保することが企業の努力義務となることが決まった。そこで、現在の職場で継続して働きたい年齢を聞いたところ、「70歳まで働きたい」と答えた人は18.9%、「70歳を超えても働きたい」(「~75歳まで働きたい」+「~80歳まで働きたい」+「80歳を超えても働きたい」の合計)と答えた人は17.8%だった。また、キャリアとして就労を希望する年齢を聞いたところ、「70歳まで働きたい」と答えた人は25.1%、「70歳を超えても働きたい」と答えた人は23.4%と、さらに上回った傾向が見られ、現在の職場にとらわれない形でこの先も働き続けたいという要望がうかがえる。
また、コロナ禍前後で自身の働き方に変化があったかを聞いたところ、38.4%が「変化があった」と答えた。変化があった人に対して具体的な内容を聞いたところ、パート・アルバイトとして働く人では「自発的にシフトを減らすようになった(35.4%)」が最も高い割合になった。出勤日の調整が比較的しやすいパート・アルバイトにおいて、感染を懸念して自発的にシフトを減らしたミドルシニア・シニア層が3分の1以上いたと考えられる。
さらに、働き方の変化に伴い、意識面でも変化があったか具体的な内容を聞いたところ、「人とのコミュニケーションが減った(31.3%)」と感じる人が多いことがわかった。特に、派遣社員として働く人では、「副業への興味(22.0%)」「学ぶことへの意識(15.2%)」の高まりも見られた。コロナ禍で変化した働き方が自身の仕事の在り方を見つめ直すきっかけとなり、副業や学び直しへの興味など、新たな意識の高まりに繋がった様子がうかがえる。