採用管理システム「SONAR ATS」を販売するイグナイトアイは、新卒採用担当者を対象に「新卒採用の振り返りに関するアンケート調査」を2020年10月19日~10月28日に実施し、調査レポートを公開した。168名から回答を得ている。
自社の新卒採用に関して採用活動の振り返りを実施しているか聞いたところ、回答者の約9割(88.7%)が実施しており、約7割(66.7%)が振り返り資料を作成して実施していると回答した。また、「採用活動の振り返りを実施している」と回答した人に、新卒採用の採用活動の振り返りの内容と手順について、どの程度自信があるか聞いたところ、「不安がある」「どちらかというと不安がある」の合計が約6割(61.1%)を占めた。一方で「自信がある」は4.7%にとどまった。
「採用活動の振り返り資料を作成して実施している」と回答した人(112人)に、振り返り資料の作成にどれくらいの時間を費やしているか質問したところ、約6割(58.0%)が「10時間以上」と回答した。多くの採用担当者が、自社の採用活動の振り返り業務の内容に、不安を抱えたまま実施している一方で、多くの時間を割いていることが分かる。
「採用活動の振り返りを実施している」と回答した人に、自社の新卒採用に関する「採用活動の振り返り」で最も注視していることのうち上位3つを選択してもらったところ、「各選考フローの遷移率」(46人)が最も多く、次いで「内定者の質」(43人)となった。第2位の回答で多かった項目は「エントリー学生(母集団)の質」(30人)「各選考フローの遷移率」(25人)「内定辞退率」(22人)。第3位の回答で多かった項目は「媒体の費用対効果」(27人)「内定辞退率」(21人)「インターンシップの効果」(20人)。
順位を考慮せず、1位~3位まで選択された回答数を全て合計した場合、86人が「各選考フローの遷移率」を1位~3位までのいずれかに選択し、総回答数149人のうち約6割(57.7%)を占めた。次いで「内定者の質」69人(46.3%)「エントリー学生(母集団)の質」65人(43.6%)となった。
近年、複数の選考フローを用意する企業も増えるなど、選考フローは複雑になっており、それぞれの採用手法が効果的だったかを見定める指標として、各選考フローの遷移率を重視する企業が多いと考えられる。また、実際に内定した学生やエントリー学生が、自社の求める人材にどれだけマッチしていたかなど、人材の質を注視する企業が多いことが分かった。
採用の振り返り業務の課題についての設問では、大きく以下のカテゴリに分けられる意見が集まった。
振り返り業務の不安は、「実施している振り返り業務に対して、今のやり方で良いのか、効果的な内容になっているのかわからない(自信がない)」という振り返り業務そのものに関する課題と、「実際に行う作業に手間や時間がかかる、手順や内容の改善が必要」といった実務面の課題の2面性があると考えられる。