KAKEAIは、同社が提供する1on1やマネジメント強化・支援の「ピープルサクセスプラットフォーム|カケアイ」で蓄積した1万回の1on1実績データから、1on1で話されている内容や、部下が上司に求める対応、1on1実施後の部下の満足度などの解析レポートを発表した。解析は、2020年11月1日~2021年3月31日に実施された1on1実績データのうち、1万件を無作為抽出して行われた。
対象期間中、1on1でのトピック選択の傾向については、3項目でほぼ均等に分かれる結果となった。さらに詳細に組織・上司別の部下のトピック選択のデータを確認したところ、同一組織に所属し、同じ上司と1on1を実施していても、部下によってトピック選択の傾向が分かれた。
対象期間中、部下が選んだトピックで最も多かったのは「業務の進捗や進め方」。他方、業務以外のトピックについても幅広く選択されており、部下が自発的に上司に業務以外のことを相談する場として機能している。リモートワーク下でのコミュニケーション不足から、様々な課題が挙がっているが、リモートワーク下であるからこそ発生しやすい課題を解決する一つの手段として、1on1の場が機能していることが類推される。
部下が上司に求める対応は偏りが⼩さく、上司は部下に対して幅広い対応が求められていることがうかがえる。マネジメント視点では、求められる対応に応じて必要スキルも対応の仕方も変わってくる。上司が対応を間違えると、1on1を実施しても部下とのコミュニケーションにズレが生じ、結果的に部下側に不満が残ることになる。上司は、部下がどのような対応を求めているかの把握に注⼒するのがポイントである。
同じトピックでも部下が求める対応は分散している。さらに詳細に「業務の進捗や進め方」というトピックで複数回の1on1を実施している部下のデータを確認しても、求める対応がその時々で異なるケースが多い。なお、業務以外のトピックについては、トピックごとに上司に求める対応に傾向があり、上司の意見を聞きたいと考えている人が多いことが分かった。
毎回の1on1実施後に0〜5で評価する「部下自身のすっきり度」は、65.6%の1on1が部下から中程度以上の満足を得られている。一方、低評価も一定量存在しており、1on1における上司のコミュニケーションの質には、まだまだ改善の余地があることも分かった。
また、トピック別にみると、上司が得意なトピックは「プライベート」、苦手なトピックは「会社や部署の方針」であることが判明。さらに、対応別に見ると、上司が得意な対応は「話を聞いてほしい」、苦手な対応は「一緒に考えてほしい」であった。