マイナビは、2022年卒業予定の全国の大学4年生および大学院2年生を対象とした「マイナビ 2022年卒大学生就職意識調査」を実施し、結果を発表した。同調査は、学生の就職意識や就職活動全体の動向を把握することを目的に、1979年卒より毎年実施している。調査期間は2020年12月1日~2021年3月20日で、有効回答数は4万1731名(内訳:文系男子1万2798名、理系男子6646名、文系女子1万7512名、理系女子4775名)。
2022年卒学生の就職観は、「楽しく働きたい」が最多で34.8%(前年比1.0ポイント減)だった。前年からの変化が最も大きいのは「人のためになる仕事をしたい」で15.2%(前年比1.5ポイント増)だった。これまでも経済状況の悪化や大きな災害等が起こった際には「楽しく働きたい」が減少し、「人のためになる仕事をしたい」が増加傾向にあった。新型コロナウイルス感染症の流行前である2020年卒から2022年卒の3年で変化を見ると、「楽しく働きたい」は2020年卒に比べ3.8ポイント減少し、「人のためになる仕事をしたい」は3.1ポイント増加している。コロナ禍は学生の「就活観」に少なからず影響を及ぼしていることが分かる。
企業を選択する場合にどのような企業がよいかを聞いたところ、「安定している会社」が42.8%(前年比4.5ポイント増)と最多で、同設問の調査を開始した2001年卒以降で最も高い割合になった。一方で、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」が34.6%(前年比1.3ポイント減)、「給料のよい会社」が17.5%(前年比2.3ポイント減)で、いずれも減少している。新型コロナウイルス感染症の影響による不透明な経済情勢を反映して、少しでも安定した未来を見通せる選択をしたいとする思いがうかがえる。
また、行きたくない会社を聞いたところ、「ノルマのきつそうな会社」が前年に続き最多で35.8%(前年比1.3ポイント増)、次いで「暗い雰囲気の会社」で28.9%(前年比0.6ポイント減)で、上位2項目は2008年卒以来、変わらなかった。2022年卒で増加したのは「転勤の多い会社」で、前年から2.2ポイント増の24.9%だった。コロナ禍の影響でリモートワークなど、働く場所を自分で選択するような価値観が社会に広がりつつあるが、学生の志向にもその影響が及んでいるとみられる。