リクルートの就職みらい研究所は、同研究所学生調査モニターの大学生・大学院生を対象に「就職プロセス調査」を実施した。調査結果について、就職みらい研究所は次のように述べている。
5月1日時点の大学生(大学院生除く)の就職内定率[1]は、51.3%(+5.6ポイント)[2]となり、前月から23.2ポイント増加し、コロナ禍以前の2020年卒と同水準となった。文理別に見ると、文系が45.7%(+6.0ポイント)、理系が63.9%(+4.5ポイント)と、どちらも前年より高い水準になっている。
就職白書2021の、2022年卒の採用プロセス開始時期(未定除く)では、内定出し開始時期の予定を見ると、ピークは3~6月に分散しており、4月中に企業の内定出しが予定通りに進んだ様子がうかがえる。また、5月以降も内定出しは継続して進むことが考えられる。前年は、緊急事態宣言以降、採用選考スケジュールが後ろ倒しになった影響があったが、今年はコロナ禍においても就職・採用活動は活況に動いているといえるだろう。
例年と動きが違うところでいうと、進路確定率、内定辞退率が挙げられる。進路確定率を見ると、33.3%(+5.4ポイント)と前年と比べて高くなっており、内定辞退率についても、36.2%(+8.5ポイント)と前年と比べて高くなっている。今年は前年、前々年と比べても2社以上の内定を取得している学生が多く、5月1日時点で内定取得者の過半数を超えている。その結果、内定辞退をしなければいけない学生が増加したと考えられる。学生からは焦りや不安の声もあるが、実際は企業の採用活動は5月以降も継続する。就職白書2021の調査結果を見ても、5月以降に内定出しを開始する予定の企業は4割以上となっている。
注
[1]: 内々定を含む。
[2]: ()内数値は前年同月差。