社会保険労務士法人HABITATは7月1日に、中小企業に特化した人事制度づくりのプロを養成する「人事制度の学校」を開校する。働き方の多様化、DX推進などに加え、これまで大企業だけに義務化されてきた同一労働同一賃金制度が、本年より中小企業においても適用開始となったことを受け、これに対応する新たな人事制度づくりに精通した人材の早急な育成を支援する。
日本の中小企業の約半数は、人事制度が未導入といわれている。これは、決して経営陣が人事制度の導入を拒んでいる、あるいは軽視しているというわけではない。導入したくとも、人事制度づくりに精通する人材が社内におらず、顧問社労士でさえ、就労に関する法律には詳しい一方で、顧問先企業の事業内容や組織体制、就労環境、企業文化などを踏まえた上で、適した人事制度を構築できる人材は非常に少ないためだ。とはいえ、大企業のように人事コンサルティング会社に一括外注できるほどの資金的余裕もない。
しかし、社内で人事制度づくりのプロを育成し、運用を内製化することは、決して難しいことではないという。中小企業の組織の成り立ちは、大企業に比べてシンプルなことが多く、事業内容や経営陣の方針さえ把握する社員あるいは顧問社労士がいれば、基本的な知識だけで会社の状況に即した人事制度を作ることができる。
人事制度の学校では、中小企業の人事制度づくりに必要な知識と考え方だけをカリキュラムに絞り込み、学びをシンプルにすることで、即戦力となる人材を早急に育成する。具体的には、主に以下の3つの点において、中小企業の人事担当者、顧問社労士、経営陣に学びやすい環境を整えている。
(1)中小企業の人事制度づくりを専門的に講義
「ほとんどが中途社員」「毎年のベースアップは難しい」「業績のブレが大きい」など、中小企業には大企業と違った特有の人事課題がある。これらに対応できる人事制度づくりに特化した講義を行う。
(2)同一労働同一賃金制度に対応
2021年4月より中小企業においても同一労働同一賃金制度の適用が開始された。これに対応した具体的な就労規則の整備や労務に関する講義、アドバイスを行う。
(3)すべてオンライン受講が可能
基礎的な知識を教える講座は、好きな時間に何度でも学べるオンデマンド動画配信を採用。内容により対面講座も予定しているが、新型コロナウィルス感染症対策の観点から、当面の間はオンラインによるライブ講座、オンデマンド講座のみとなる。