SmartHRは、Light Street Capitalをリード投資家とし、既存株主・新規投資家を引受先とした第三者割当増資・新株予約権付社債により合計約156億円の資金調達を実施した。同社は、これまで約82億円の資金調達を実施しており、今回の調達により累計調達額は約238億円となる。
同社は、2015年のクラウド人事労務ソフト「SmartHR」提供開始以降、人事・労務分野の業務効率化による生産性向上を目指し、労務手続きや年末調整などのアナログな業務をテクノロジーで合理化することにより、業務上の煩雑なコミュニケーションの削減を推し進めてきた。昨今のテレワークの普及とともに市場も拡大し、2020年11月には「SmartHR」への登録企業数は3万社を超えているという。
2019年以降、SmartHRに溜まったデータの活用と業務効率化によって生まれた時間を生かす人材マネジメントの実現を目指し、従業員サーベイや分析レポート機能、組織図機能を新たに追加し、企業経営におけるデータ活用も後押ししてきた。2020年には関西支社に続いて、九州、東海にも拠点を構え、日本全国で企業に寄り添ったサービス提供を行っている。
日本の労働力人口は減少を続け、国や企業が抱える生産性向上への課題は深刻さを増している。本課題に対する一つの解決策として、テクノロジーを活用した業務効率化が社会に受け止められる一方で、効率化にとどまらない、企業による「働きたいと思う環境の整備」の重要性も高まりつつある。
同社は、調達した資金を活用し、人事・労務分野の業務効率化に加え、企業による「働きたいと思う環境の整備」のための人事・労務情報のデータ活用を強く推進する。既存機能である従業員サーベイや分析レポート機能を使用した企業状態の可視化と改善について、広い業種での活用事例を創出し、これからの日本の労働市場に適した人材マネジメントモデルを社会に提案するとともに、企業の生産性向上を後押しする人材マネジメントのための機能開発にも注力する。そして、人事労務領域を超えて企業におけるデータ活用の価値を高め、経営戦略における意思決定を後押しするという。
また、上記の実現のため、採用強化やマーケティング活動への継続した投資も決定。同社の事業を支える人材基盤の形成、およびサービス認知の向上を目指した広告展開や同社主催カンファレンスなど幅広いマーケティング活動により、安定した事業成長を目指すとしている。