マイナビは、直近半年(2020年12月~2021年5月を想定)以内に非正規雇用の採用業務に携わった、全国の20~69歳の男女を対象に実施した「非正規雇用[1]の給与・待遇に関する企業調査(2021年)」の結果を発表した。調査期間は2021年5月19日~5月25日で、有効回答数は1550名。
2020年12月から2021年5月までの直近半年間の給与は、全雇用形態で「変わらない」が最も多く、アルバイトでは54.4%(前年比+11.1ポイント)と特に伸び幅が大きかった。給与を「上げた」割合は全雇用形態で前年と比べて減少しており、アルバイトで40.0%(前年比14.0ポイント減)、派遣社員で34.3%(前年比5.4ポイント増)、契約社員で37.5%(前年比6.8ポイント減)となった。
新型コロナウイルス感染拡大での業績悪化による採用抑制もあったことから、例年より給与を上げた割合が減少したと考えられる。一方で、業種別・雇用形態別で見ると、慢性的に人手不足が続く「介護」業のアルバイトは「上げた」割合が50.5%と最も高くなった。
直近半年間の給与を上げた理由は、アルバイトでは「人材確保が難しくなったため(39.0%)」、派遣社員では「正社員との不合理な待遇改善のため(40.7%)」、契約社員では「既存社員のモチベーションアップのため(40.9%)」とそれぞれ高くなった。「人材確保が難しくなった」という回答が2019年以降、全雇用形態で減少傾向であることから、人材確保のための給与引き上げを行う企業が大幅に減少したことがうかがえる。
また、「既存社員のモチベーションアップのため」「正社員との不合理な待遇改善のため」などが前年より増加していることから、中小企業においても同一労働・同一賃金の施行が始まり、待遇改善・雇用維持のために給与を上げたことが分かる。
今後半年間の給与変更予定は、アルバイト、派遣社員、契約社員で給与を「上げる予定」が前年を下回り、アルバイトで19.0%(前年比2.3ポイント減)、派遣社員で15.1%(前年比1.7ポイント減)、契約社員で18.5%(前年比0.5ポイント減)となった。一方で「変わらない予定」の割合は全雇用形態で前年より増加し、約6割を占めた。
注
[1]: 非正規雇用=アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託