タレントマネジメントを成功に導く3つの秘訣
では、実際にタレントマネジメントを始めたとき、成功に欠かせないことは何だろう。それについて、岩本氏は次の3つを挙げた。
- 1. 意義・目的を続ける胆力を持つこと
- タレントマネジメントは、前提となる知識や価値観によって、捉え方が大きく異なってくる。タレントマネジメントによって「どのような目的を達成したいのか」「どのような課題を解決したいのか」を、施策が浸透するまで根気よく伝え続ける努力が大切。そのためには制度の見直しや企業風土の変革も必要である。
- 2. システムを導入して終わりではなくアクションまでサポートする気持ちで
- タレントマネジメントシステムの活用を日常業務に組み込むには、オペレーションレベルにまで人事が入り込んで、アクションのサポートをする必要がある。
- 3. グランドルールの策定
- 事業部横断で人事に関する会議体を設けると、話がいろいろな方向に分散しがちである。人事が主導権を握り、設定した議題について議論が進むよう、グランドルールを設定しながら組織変革を目指していきたい。
最後に岩本氏は、「タレントマネジメントシステムを運用している企業の割合は、従業員規模1001名以上の大企業では36%、301名以上の中堅企業では27%、300名以下の企業では9%となっている。まだ導入していない企業でも50%以上の企業が関心を寄せていることから、注目は高まっているといえるだろう。システムを活用して定型業務の作業工数を削減した上で、経営戦略に沿ったタレントマネジメントを推進していくことが重要だ」と語り、講演を締めくくった。