アドビは、未来の働き方に関するグローバル調査を4月30日~5月28日に実施した。同調査は、従業員数1000名以上の企業に勤める男女計3404名を対象に、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの7カ国にて、インターネットで行われた。
今回の調査について、アドビは以下のように伝えている。
コロナウイルス感染症拡大の影響でテレワークを導入する企業が増える中、「テレワークによってワークライフバランスは向上したか」という質問に、グローバル平均で85.5%、日本でも73.0%が「向上した」と回答した。
その一方で、「オフィス勤務よりテレワークの方が仕事ははかどるか?」の質問には、グローバル平均で約7割(69.1%)が「そう思う」と答えたのに対し、日本で「そう思う」と回答したのは42.8%にとどまっており、7カ国中最も低い。このことから、テレワーク環境下で日本はオフィスほど仕事を効率的に行えていないことが見て取れる。
また、全体の業務時間の中で雑務にかける時間の割合については、7カ国の中では日本が最も雑務に時間をかけていることが分かった。
そこで、作業効率化のためにデジタルツールを導入してほしいタスクを聞いたところ、日本では1位「紙文書の作成・確認作業」(71.0%)、2位「ファイル管理」(70.6%)、3位「ファイル検索」(62.6%)という結果となった。このことから、多くの人がより効率的に仕事を進めるためのツール導入を望んでいることが分かる。紙を使った業務が多く残る日本では、紙文書のデジタル化がテレワーク体験向上の鍵になると考えられる。
テレワークの導入など働き方が多様化する中、来年の転職意欲を尋ねたところ、日本でも39%と、転職を考えている人が4割近い。
また、年収や仕事内容が変わらない条件で転職したい理由を尋ねると、グローバル平均でも日本でも半数以上の人が「ワークライフバランス」「仕事のスケジュールを自分でコントロールできる」「テレワークが選択できる」「作業効率化のためのツールを導入している」と回答している。企業側にとってより良い人材を確保するためには、ワークライフバランス、裁量権、テレワーク環境、デジタルツール導入が鍵であることを示唆している。