パーソルグループ傘下で、外国人材に特化した人材サービスを提供するPERSOL Global Workforceは、日本企業に(2021年8月現在)内定が確定している特定技能の外国人材を対象に、日本企業への就業に関する調査を実施し、結果を発表した。同調査は、外国人材と日本企業の間で起き得る、就業に関する認識のギャップをなくし、これからの外国人材採用における提言を目的に実施した。調査期間は2021年7月26日~8月6日で、有効回答数は145名。
外国人材が企業に提供してほしいサポート・福利厚生を聞いたところ、1位は資格試験、在留資格更新、スキル取得支援などの「今後のキャリアアップのための支援」で26%となった。2位は「日本語向上のための定期的な研修」だった。1位と2位の結果から、外国人材が自身の成長やスキルアップにつながる支援を求めていることがうかがえる。
複数の企業の内定が決まった際、どの企業に入社するかを決めるポイントの1位は「キャリア支援など成長支援の有無」(17%)だった。続いて2位が「生活環境」、「給与」は3位とどまった。この結果からも、外国人材の「今後のキャリア、成長」を重視していることが分かる。
一方、日本で生活する上で心配していることの質問に対しては、「文化の違い」(37%)、「日本語でのコミュニケーション」(18%)が1、2位となった。次いで「新しい仕事に慣れること」「病気になったときの対応」と続き、母国を離れ、慣れない国で生活し、仕事をする中での不安が感じられる。
入国に関する不安に関しては、「新型コロナウイルス感染症の影響による入国時期の延期」が49%で1位となった。すでに内定が決まっている外国人材の、入国時期の延期によるストレス・不安がうかがえる。また、「隔離期間中の暮らし」や「感染拡大」に関する不安が次に続いた。
5年間の日本での仕事が終わった後のキャリアプランに関しては、「日本に永住したい」が51%、「永住は考えていないが、もっと長く働きたい」が36%で、合わせて87%の外国人材が、日本でより長く働きながら生活することを希望していることが分かった。
現在、世界中で人材不足が進む中、日本企業が優秀な外国人材をどれだけ確保できるかは喫緊の課題となっている。そのためには、外国人材のキャリアに対するニーズをとらえて、中長期的な人事・採用戦略を立てることが欠かせない。「日本で長く働きたい」と考える外国人材と日本人従業員がお互いを受け入れ尊重しながら仕事ができるように、日本企業がダイバーシティ&インクルージョンを再考する必要があると、同社は述べている。