留学生採用の情報は多くがサブ扱い
留学生の教え子たちの就職活動支援を行う傍ら、私は様々な企業の新卒採用専用HPを閲覧することがあります。その際に、多く散見されるのは、日本人学生と留学生を同様のHPで募集する新卒採用専用HPです。このような新卒採用専用HPでは、1つの募集要項に日本人学生の募集がメインとして掲載される一方、留学生の募集はサブで一部掲載されることになり、留学生の募集情報の詳細が分かりません。
例えば、日本人学生の募集要項の一部に「留学生採用実績あり」「積極的に留学生を採用」「留学生歓迎」といった文言の記載のみというケースです。留学生が知りたいと思う募集情報が不足しており、本当に留学生の応募が可能なのかと疑問が浮かぶことがあります。
一方、留学生募集を強化している一部の企業では、日本人学生の新卒採用専用HPとは別に、優秀な留学生の確保を図るために留学生の新卒採用専用HPを設置しています。留学生を初めて採用する人事担当者にお勧めしたいのは、先行事例を観察し、必要なコンテンツが何かを知ることです。
先行事例に学ぶ
ここからは先行事例として、①株式会社ローソン、②株式会社シーエックスカーゴの2例を紹介します。
① 株式会社ローソン
まず、留学生の新卒採用専用HPとして株式会社ローソン(以下、ローソン)の取り組みを解説します。ローソンは、コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズチェーンを展開している企業です。2020年3月に2021年の留学生の新卒採用専用HPを開設しています。
ローソンの2021年の留学生の新卒採用専用HPは、サイト構成がシンプルで「挑戦のローソン」「先輩国際社員」「SPECIAL」「採用情報」の4つの留学生が知りたいと考えるコンテンツを設けています。4つのコンテンツは、文言だけではなく多くの動画や写真、図などが充実しており、留学生にとって視覚的に分かりやすいものです。特に、「先輩国際社員」のコンテンツは、4名の「先輩国際社員」が①ローソンを選んだ理由、②私の仕事、③仕事のやりがい、ローソンの魅力、④私の目標、⑤私のこれからと学生へのメッセージ、について語られており、留学生に就職後の働くイメージを訴求するものとなっています。