マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は、正規雇用者男女700名を対象に行った「ジョブ型雇用と働き方への意識調査」の結果を発表した。今回は、日本企業でも導入されつつあるジョブ型雇用について、イメージやメリット・デメリット、希望する働き方などを調査した。調査期間は、2021年9月24日~27日。
勤務先において、現在の職種のまま「ジョブ型雇用[1]」と「メンバーシップ型雇用[2]」のどちらを選ぶか聞いたところ、「メンバーシップ型」を望む割合が32.1%と、「ジョブ型」の24.6%に比べてやや高い。年齢別に見ると、30~50代では「メンバーシップ型」が上回るのに対し、20代はわずかに「ジョブ型」が上回った。
ジョブ型雇用によって給料が上がると思うか聞いたところ、「変わらないと思う(49.1%)」「下がると思う(13.3%)」と、昇給は期待できないという見方が半数を超えた。
メンバーシップ型でのジョブチェンジを伴う異動経験者は、複数の職務を経験することによって適性に気づく、スキルアップを実感するなどの傾向も。自分の職務内容を意識できている割合も高いことから、異動しながらキャリアの方向性を固められるのも、メンバーシップ型のメリットという声も上がった。
仕事ぶりを適切に評価されていると思う割合は、「職務内容が明確」の場合は52.6%、「どちらともいえない」場合は15.9%、「職務内容が不明確」の場合は8.7%と、職務内容が明確になるほど会社からの評価に対する満足度は高くなる傾向。ジョブ型雇用を導入しないとしても、職務を明確化することで良い効果が期待される。
注
[1]: 職務内容や責任の範囲、労働時間、勤務地などを明記したジョブディスクリプション(職務記述書)を作成し、その条件にマッチした労働者と合意の上で契約を結ぶ雇用形態。
[2]: 日本企業に多く見られる雇用契約の一つで、日本特有の年功序列や終身雇用を前提にした、職務や勤務地を限定しない無限定正社員。