オリジネーターは、同社が運営する外国人留学生就職情報サイト「リュウカツ」登録者を対象に、日本での就職活動に関するアンケートを実施した。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査名:「外国人留学生から見た日本の就職活動に関するアンケート」
- 対象者:「リュウカツ」登録者のうち、日本で就職活動中または日本の企業で働いている・働いていた人
- 調査方法:インターネット調査(日本語と英語で調査)
- 調査時期:2022年2月
- 有効回答数:301名
- 調査目的:日本で就職活動の経験がある外国人登録者を対象に、日本の就職活動について調査することで、外国人の採用を検討する企業の人事担当者に選考(採用活動)の参考にしてもらうため
調査結果のポイント
Q10.日本企業の選考(採用活動)で、改善してほしいこと(複数選択)
- 1位「選考プロセスの複雑さ」(54.8%)
- 2位「適性検査」(47.2%)
- 3位「面接の回数が多い」(46.5%)
Q11.日本企業の選考(採用活動)で、疑問に感じたこと(自由記述、原文ママ)
- 「具体的な仕事内容が提示されないけど採用する」
- 「留学生を雇う理由が、企業側でさえも曖昧であること」
- 「外国籍採用の目的の一つは多様性だが、採点基準は日本人と同じ。日本人らしい外国人を求めている」
- 「言い方が遠回しで曖昧すぎて、意味不明な時があった」
- 「履歴書をemailやネットで送っているのに、面接時に履歴書を持参しなければならないこと」
- 「留学生に対して、SPIテストで一般常識と国語の問題を出すところ」
日本企業の選考(採用活動)で改善してほしいことは、1位「選考プロセスの複雑さ」(54.8%)、2位「適性検査」(47.2%)、3位「面接の回数が多い」(46.5%)という結果になり、日本特有の選考プロセスに戸惑う外国人留学生が多くいることが分かった。
また、「就職活動の開始時期が早い」という回答が23.6%あったが、近年は新卒採用企業の早期選考が一段と進む中、今回のアンケートに回答した外国人留学生が多くエントリーしている「IT・情報通信」の企業は特に早いといわれているため、学業と並行した就職活動に苦戦する様子がうかがえるという。
Q12.日本企業の選考(採用活動)で、良いと思うこと
- 1位「仕事経験がなくても採用される」(49.8%)
- 2位「企業との様々な接点があり、企業理解が深まる」(40.5%)
- 3位「選考プロセスがしっかりしているので、じっくり取り組める」(32.2%)
1位「仕事経験がなくても採用される」(49.8%)、2位「企業との様々な接点(説明会やインターン等)があり、企業理解が深まる」(40.5%)、3位「選考プロセスがしっかりしているので、じっくり取り組める」(32.2%)という結果になった。海外では新卒者も転職者と同じように扱われるため、採用基準はポテンシャルなどではなく、スキルを重視する傾向にある。そのため、外国人留学生にとって日本の新卒採用企業は、仕事の経験がなくても採用されるチャンスがあり、魅力的に感じているようだ。
なお、Q10では「選考プロセスの複雑さ」が1位となっていたが、一方で「選考プロセスがしっかりしていて、じっくり取り組める」ことが良いと捉える外国人留学生も3割超(32.2%)いることが分かった。
Q13.就職活動を通じて接した企業の中で、魅力的な企業だと思ったこと(自由記述、原文ママ)
- 「コロナが流行っている中でも少人数で対面インターンシップに参加できる企業があり、オンラインイベントより社内の雰囲気などが見られて良かった」
- 「人事の方が優しく、心強かった。新卒なので、経験やスキルはあまり聞かれず、性格が重視されるのは、日本の就職活動の良いことだと思う」
Q14.日本の企業で働いてみて、疑問に思うこと(自由記述、原文ママ)
- 「尊敬語と謙譲語を使ったら逆に交流しにくい」
- 「曖昧な言葉が多い」
- 「何にでも送付状がいる」
- 「カタチにこだわりすぎるため、無駄が多い」
- 「ルールに柔軟性がない」
- 「仕事とプライベートをはっきり区別していないこと。休暇を取ったはずの同僚が普通にメールに返信することや、仕事が終わってから電話がかかってきて、出なかったら注意される」
同アンケート結果の全文と詳細は、同社のプレスリリース(PR TIMES)で確認できる。
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