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コレクションAPIの利用
では、前述したコレクションに追加された2つ(removeIf
とreplaceAll
)のメソッドをそれぞれラムダ式で使用してみましょう。次のサンプルでは、小文字、大文字が混在した文字列を要素とするリストに対し、replaceAll()
メソッドを使用して、すべての要素を大文字に置き換えます(Sample5.java)。
import java.util.*; import java.util.function.*; public class Sample5 { public static void main(String[] args) { List<String> words = Arrays.asList("Tanaka", "Sato"); /* //匿名クラスで実装した場合 words.replaceAll(new UnaryOperator<String>() { public String apply(String str) { return str.toUpperCase(); } }); */ words.replaceAll( (String str) -> { return str.toUpperCase(); } ); //words.replaceAll( str -> str.toUpperCase() ); System.out.println(words); } }
[TANAKA, SATO]
8行目~14行目にあるコメントアウトされたコードは、匿名クラスを使用した場合の実装です。参考として記述しました。replaceAll()
メソッドは、引数にUnaryOperator
インタフェース型をとります。そこで、9行目~13行目では、UnaryOperator
インタフェースの抽象メソッドapply()
の実装を匿名クラスで行い、その匿名クラスをインスタンス化しています。
15行目は、replaceAll()
メソッドの引数にラムダ式を使用した例です。また、16行目はそれを省略したラムダ式で記述した例です。匿名クラスでの記述、ラムダ式(省略なし)、ラムダ式(省略あり)のいずれも同じ実行結果となります。
次のサンプルは、リスト内にある要素のうち、removeIf()
メソッドを使用して奇数を削除します(Sample6.java)。
import java.util.*; import java.util.function.*; public class Sample6 { public static void main(String[] args) { List<Integer> data = new ArrayList<Integer>(Arrays.asList(1,2,3,4,5)); /* //匿名クラスで実装した場合 data.removeIf(new Predicate<Integer>() { public boolean test(Integer i) { if(i % 2 != 0) { return true; }else{ return false; } } }); */ data.removeIf( (Integer i) -> { return i % 2 != 0; } ); //data.removeIf(i -> i % 2 != 0); System.out.println(data); } }
[2, 4]
9行目~19行目は匿名クラスを使用した場合の実装例、20行目はラムダ式(省略なし)を使った実装例、21行目はラムダ式(省略あり)を使った実装例です。いずれも同じ実行結果となります。
6〜7行目を見てください。リストを作成する際に、asList()
メソッドの戻り値をもとに、ArrayList
クラスをインスタンス化しています。removeIf()
メソッドはリスト内の要素を削除します。しかし、asList()
メソッドでは固定リストが返るため、可変リスト(この例ではArrayList
)にしてからremoveIf()
メソッドに渡す必要があります。そのため、6〜7行目を次のように変更すると、実行時にUnsupportedOperationException
例外が発生します。
(現行) 6. List<Integer> data = 7. new ArrayList<Integer>(Arrays.asList(1,2,3,4,5)); (変更後) 6. List<Integer> data = Arrays.asList(1,2,3,4,5);