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Silver SE 8試験の概要とSilver SE 7試験との違い
2014年3月にJava SE 8がリリースされてから、同バージョンに対応した認定資格が待ち望まれていましたが、2015年7月に「Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 8認定資格」(以下、OCJP Silver SE 8)がリリースされました。 この資格を取得するには、「Java SE 8 Programmer I」(試験番号:1Z0-808)試験に合格する必要があります。試験概要は表1のとおりです。
試験番号 | 1Z0-808 |
---|---|
試験名称 | Java SE 8 Programmer I |
問題数 | 77問 |
合格ライン | 65% |
試験形式 | CBT(コンピュータを利用した試験)による多岐選択式 |
制限時間 | 150分 |
オンライン試験 | なし |
前提条件 | なし |
1つ下位のOCJP Bronze SE 7/8認定資格試験(Java SE 7/8 Bronze)とは異なり、オンライン試験はなく、試験会場のみで実施されています。また、試験時間は150分と長く感じますが、提示されているコードが長い問題も多く含まれています。したがって、読み解きにくい問題は後に回し、最初の1時間半ぐらいで最後の問題までひと通り解答することをおすすめします。
また、合格ラインは変更される場合があるため、受験前にはOracle社のWebサイトで確認してください。
試験の出題範囲
Silver SE 8試験(Java SE 8 Programmer I)の出題範囲は、Oracle社のWebサイトで図1のように発表されています。比較のため、表の左側にSilver SE 7試験(Java SE 7 Programmer I)の出題範囲も載せました。出題範囲自体に大きな変更はないものの、新トピックも入っています。
図1の文字色の意味
- 黒字:Silver SE 7試験と同SE 8試験で変更のなかったもの
- 緑字:Silver SE 7試験から含まれていたが、同SE 8試験では独立したカテゴリ(Java APIの主要なクラスの操作)に含まれたもの
- 青字:Silver SE 7試験でも出題されていたが出題範囲として明示されていなかったもので、同SE 8試験より明示され、出題頻度も高くなったと思われるもの
- 赤字:Silver SE 8試験からの新規トピック
以下に、筆者の所感も含めて、Silver SE 7試験との違いをまとめます。
Silver SE 8試験からの新トピック
表1の赤字にあるとおり、Silver SE 8試験の新規トピックは次の2つです。
- Date and Time APIの基本
- ラムダ式の基本
これらはJava SE 8の新機能であり、かつ仕様も広範なので、すべてを理解するのはかなり難しいです。そのため、各機能の詳細は1つ上位の試験であるGold SE 8試験(Java SE 8 Programmer II)の出題範囲になっており、Silver SE 8試験では基本的な使い方に出題範囲がとどめられています。次ページから上記2つのトピックについて説明しますが、解説はSilver SE 8試験の出題範囲に絞って行います。
既存の範囲でも注意するトピック
Silver SE 8試験では、各カテゴリに関する問題が万遍なく出題されます。しかし、カテゴリをまたいだ問題も多いため、出題範囲を一通り学習し、さらに以下の点を確認しておくことをおすすめします。
-
StringBuilder
クラスとString
クラスのメソッドは検証しておく - 配列(とくに2次元配列)と繰り返し文を絡めた問題が多いため、机上だけで結果を読み取れるようにしておく
- 参照型の型変換、ポリモフィズムは旧バージョン(Silver SE 7試験)と同様に出題頻度が高いので、机上だけで結果を読み取れるようにしておく
- Java SE 8ではインタフェースの仕様に変更が入ったが、Silver SE 8試験では、基本的に旧バージョンと共通の仕様について問われる(新しい仕様については、Gold SE 8試験で問われる)
-
例外クラスは、
try-catch-finally
、throws
の基本文法だけでなく、RuntimeException
系のクラスがthrow
されたときの振る舞いもしっかり理解しておく