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特別寄稿《人材採用》| 海外人材の雇用

海外法人を設立せず現地人材を雇用できるEORサービスとグローバル雇用に関する5つの誤解・5つの利点

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 2030年までに79万人のIT専門家が不足するという経済産業省の発表が話題になるなど、日本国内の人材不足は今や社会問題の一つとなっています。国内での人材育成が急務であることは間違いありませんが、一方で、人材を海外市場に求めるグローバル雇用も人材不足を解消する選択肢として注目されています。企業が海外で人材を雇用する場合、法律上の微妙なニュアンスの違いを理解しておく必要がありますし、戦略的なパートナーがいない場合には現地法人の設立が必要となるでしょう。こうしたグローバル雇用に費やす手間と労力を減らすサービスが「Employer of Record(EOR)」です。本稿では、日本でまだ広く知られていないEORサービスを紹介するとともに、グローバル雇用に関する利点と誤解を解説します。

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グローバル雇用を支援するEORとは

 「EOR」はEmployer of Recordの略語で「雇用代行業者」と訳され、記録上・登記上の雇用主を意味します。「EORサービス」というと、進出先に法人を持たない顧客企業に代わって、雇用代行業者が現地における法的な雇用主となり、入社手続き、給与管理、福利厚生の提供といった雇用に関する業務を代行するサービスを意味します。

 EORサービスを利用することで、現地法人を設立することなく世界中で人材を雇用することが可能になります。雇用代行業者は、顧客企業が採用した人材の現地における法的な雇用主となりますが、業務については企業自身が直接管理します。雇用代行業者を利用することで人材の入社プロセスに費やす時間を短縮でき、より早く事業を軌道に乗せることができるでしょう。

グローバル雇用に関する5つの利点

 求人や雇用を取り巻く環境はこの2年間で劇的に変化しました。リモートワークを望む従業員の増加というトレンドを受けて、リモートワークは働き方に対する1つのオプションという枠を超え、企業に不可欠な要素となりました。そしてこれは、雇用における新たな可能性をもたらしています。国境が人材確保における最大の障壁であった時代はもはや過去。グローバル雇用は現実的な人材戦略の一つになったといえます。

 グローバル雇用により、企業は以下の利点を実感できるでしょう。

①現地の人材不足を回避できる

 コンサルティング企業であるコーンフェリーが行った調査は、世界的な人材不足の影響によって2030年までに8500万人以上の労働者が不足する可能性があると伝えています。しかし実際のところ、人材は世界中にいます。また、人材募集の対象地域に制約がなくなり、世界中のどこにからでも純粋に候補者の資質に基づいて従業員を採用できる点は、グローバル雇用の最大のメリットです。

②新規市場に参入できる

 グローバル雇用を行うことで、企業は新規市場に参入し、新たな潜在顧客に自社のサービスや製品を紹介する機会を得られます。また、新たな地域で人材を雇用し成長することで、現地の貴重な知見を得ることもできます。地域に根づいた独自の企業文化や消費者ニーズの理解には、対象国に関する専門知識とスキルセットがキーとなります。

③生産性が向上する

 グローバルで雇用し異なるタイムゾーンで勤務する従業員を持つことで、企業は24時間週7日体制で稼働するオフィスを構築できます。企業は生産性向上と同時に、クライアントや消費者における信頼感の醸成を図れます。また、従業員の不在を起因とする遅延や納期遅れも軽減できます。

④雇用主のブランドが向上する

 国際的な企業は市場から良い評価を受けています。国境を越えた雇用によって力強く積極的な国際チームを構築した企業は、働きやすく、共感性が高く、社会的責任が高いと見られる傾向があります。これは雇用主のブランド力を向上させ、優秀なグローバル人材の獲得と定着に寄与します。

⑤充実した職場環境の形成

 グローバル雇用は、すべての従業員にとってより豊かで充実した職場環境の構築に役立ちます。グローバルな視点やアイデアを共有することで、従業員のモラルを向上し、ポジティブな評価を生み出し、ひいては人材獲得施策の強化にもつながります。

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この記事の著者

Charles Ferguson(チャールズ・ファーガソン)

アジア太平洋地域(APAC)担当ゼネラルマネージャー, G-P(Globalization Partners)アジア太平洋地域のゼネラルマネージャーとして、G-Pのビジネス拡大を推進。G-P入社以前はアジア最大のBPOプロバイダのひとつであるTricor GroupでCCOを務め、ビジネス、企業、投...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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